極右の胎動に極左も敏感な動きも見せ始めている。「反ナチス」集団、「アンティファ(Antifa=Anti-Fascist)」がそれだ。黒覆面姿で極右の集会に殴り込みをかける。

 「シャーロッツビルの騒乱」はまさに両者による「睨み合い」に端を発していた。極右に対する善良で非暴力の反対派市民の反発と片づけるほど単純なものではないのだ。

トランプ曰く「極右の中にも尊敬できる人物はいる」

 「ナチス」とは何か。一般の米国人が考えるのは、「白人至上主義者」(白人優越主義者)、人種差別主義者、反ユダヤ・反黒人・反有色人種(むろん日本人も含まれている)主義者。

 彼らの主張は、一言で言えば、こうだ。

 「今の米国はユダヤ人に牛耳られ、同性愛主義者や非キリスト教のイスラム教徒や有色人種移民に寛容すぎる、異常な社会だ。建国当初の欧州系白人を中心とした国家改革すべきだ」

 主要メディアは、こうした「ネオナチス」は、極右であり、狂信的ナショナリストだとレッテルを貼っている。

 ところがトランプ大統領は、「シャーロッツビルの騒乱」直後、両者を喧嘩両成敗。極右の中にも「尊敬すべき人たちはいる」と言い切った。

 主要メディアはむろん激しく大統領を叩き、共和党内でも抗議の声が上がった。トランプ大統領は前々から「白人至上主義的人物」だと憶測されていた。

 それがこの発言で「白人至上主義者に同情的な人物」という烙印を押されてしまった。

 「リベラル系メディアの中には、トランプ大統領周辺に漂う『白人至上主義的雰囲気』をとらえて<トランプ、トランプ支持者、共和党保守はナチス容認者だ>と激しく批判している。これが一般市民の間に浸透すれば、来年の中間選挙で共和党は極めて不利になる」(米主要紙ベテラン政治記者)

 こうした空気を一掃しようと試みた保守派識者の本がこのほど出版された。「The Big Lie: Exposing the Nazi Roots of the American Left」(真っ赤な大嘘:米左翼のナチス・ルートを暴露する)。

 本書のセールスポイントはこうだ。

 「トランプがナチス的だと宣伝するリベラル派の主張は『真っ赤な大嘘』だ。歴史を紐解けば、民主党リベラル派ほどナチスと持ちつ持たれつの関係にあった米政治勢力はなかった」