「総合大学でなければダメである」という意味

 文部科学省には「スーパーグローバル大学創成支援事業」と呼ばれるプロジェクトがあります。

 いわば国際的な大学の連携、パートナーシップ形成のプロジェクトで、ホームページには「徹底した大学改革と国際化を断行し、わが国の高等教育の国際通用性、ひいては国際競争力強化の実現を図り、優れた能力を持つ人材を育成する環境基盤を整備する」と謳われています。

 東京大学は世界各国でトップ10程度の大学と戦略的グローバルパートナーシップを結ぶ、ということになっており、すでに7つは採択、あと3~4程度の席をめぐって「準採択」その他の大学が位置づけられいます。

 実は私自身、この「準採択」大学の1つ、ドイツ連邦共和国バイエルンの州都にあるミュンヘン工科大学とのパートナーシップを担当する学術外交官として、ここ数年仕事をしており、9月もミュンヘンですり合わせが進む予定になっています。

 さて、ここで、守秘に抵触しない範囲で、島国病の現実をお話いたしましょう。いわく

 「いやしくも、東京大学は総合大学である。その戦略パートナーシップの相手は、総合大学であるべきであろう。ミュンヘン工大? 工科大学では役不足である、総合大学でないと・・・」

 どこの誰が言ったのか知りませんが、ともかく外事の現実を知らない人が4~5年前(現体制になる以前から)のたまわった御託宣らしい。

 さて、そういう御仁に、今回のトップ10の中の3工科大学を挙げて、「東大はカリフォルニア工大を、MITやチューリヒ工大を工科大学だから、とパートナーシップに足りないとでも言うのですか?」と問えば、反論はできなくなってしまうでしょう。

 実際、チューリヒ工大とはパートナーシップを結んでいます。逆に言うと、東大は現在、EUの主要国との高等学術の紐帯が十全ではありません。