つまり、そういうことなのだ。そもそも、2人で商売を始めようとした段階で、「社長になる。自分たちの会社だ」というところに、甘えや格好付けがあったことは確かなのだ。

 言ってしまえば、会社を立ち上げたときに陥る「つくって満足症候群」に、私たちもかかってしまっていたのだ。

 これは恐ろしい病気である。会社を立ち上げたときに興奮や高揚感、社長になったことへの優越感、そして「まだ会社を立ち上げたばかりなのだから、そんなにすぐに仕事は来ないだろう」という逃げ場のある状況は、実はものすごく危険なのだ。下手をすると、このままずるずると仕事も無いまま迷走し続けることになる。

 そして、その泥沼から抜け出す唯一の方法は、

 気合い

 必死さ

 絶対に成功させるという意気込み

しかないのだ。

 それについては、2人にとっては子供の存在が後押しにもなった。「この子のために頑張らないと!」というのは、ものすごいモチベーションになるし、気合いを入れて、必死に、絶対に成功するぞという気になる。

 というわけで、起業した直後の浮ついた気持ちを何とか抜け出して、ようやく本気モードのスイッチが入った僕たち2人が次に目を付けたのは、「クレープ」だった。

(続く)