AIの活躍は、人間がいるからこそ

人間の強みとは何か。それは「人間らしさとは何か」を見つめていくことになるだろう。人間は長時間働けないものの、その制限や弱さから生まれるニーズがある。1人で働けないからこそコラボレーションが必要になり、そのためにはスマートフォンのようなデバイスや通信回線は欠かせないし、コミュニケーションに役立つソフトウェアやアプリも必要になる。

何が必要かを考えられるのも人間。新たなビジネスを生むことも人間ならではだ。どのイノベーションにしても、何らかの課題を解決するために生まれている。それは人間や社会がさまざまな制限を抱えているからできることだ。

人間は休息を必要とし、無理をすれば体調を崩すし、何よりも寿命がある。だからこそ医療がある。AIは医者を助けるために治療方法を探すが、医者がいなくなることはないし、何よりも人間が存在する限り患者がいなくなることもない。人間がいるからこそ、AIは活躍の場がある。

また人間には感情がある。この感情により人間は時に合理的ではない判断を下したり、無謀なことに挑戦することもある。そうした不完全さは人間ならではであり、最適解を出すように命じられているAIやコンピュータがやることはない。

例えば人間は「週末は登山をしたい」と願望に沿って行動を決めるが、AIには(今のところ)願望で行動することはない。AIは人間の願望を最適に実現するために知恵を働かせる。登山なら天気予報や交通情報から安全かつ最適なルートを案内するなどだ。登山者の体調管理をサポートすることもあるだろう。

忘れてはいけないのは、これまで人類はどんなにイノベーションを起こしても、そこに入れ替わりがあったとしても新たなビジネスや働き方も発明してきた。デジタル・トランスフォーメーションやAIでも同じだ。またAIやコンピュータは人間を補佐するために存在していることも忘れてはならない。AIは人間の脅威ではなく補佐役としてこそ、存在価値がある。