(英エコノミスト誌 2017年8月26日号)

退任後もトランプ大統領の「対抗勢力と闘う」、バノン氏

米メリーランド州のアンドルーズ空軍基地に到着したスティーブ・バノン首席戦略官・上級顧問(2017年4月9日撮影、肩書きは当時、資料写真)。(c)AFP/JIM WATSON〔AFPBB News

ドナルド・トランプ大統領のアドバイザーがホワイトハウスを去ったが、彼の思想は消えずに残る。

 ドナルド・トランプ米大統領の首席戦略官ではなくなった2日後、スティーブ・バノン氏はワシントンの連邦議会議事堂にほど近い自宅で、なぜ本誌エコノミストの取材を受け入れたのかを説明してくれた。「君らは敵だ」と言い、さげすむような口調でこう付け加えた。「自由貿易という急進的な思想を支持しているからだよ。いや、まじめな話、あれは過激思想だ」。

 何かと物議を醸す右派のウェブサイト「ブライトバート・ニュース」の運営に復帰する同氏は、まだけんかが好きなことをはっきりさせたがっていた。今回の長いインタビューでは、「ホワイトハウスでは、私は影響力を持っていた」と何度か繰り返した。「ブライトバートでは、権力を握っていた」。

 キリスト教の聖画像や政治にまつわる思い出の品々が飾られたダイニングルームで、バノン氏はいすに腰掛けながら、自分には敵がいると述べた。中でも重要なのは、連邦議会にいる共和党議員であり(「ミッチ・マコネル。あいつは撃ち殺してやる」)、中国であり(「一帯一路なんてめちゃくちゃにしてやろうぜ」)、「シリコンバレーとウォール街のエリートども――あの連中は、仲間の米国人のことを忘れたグローバリスト」なのだという。

 また、ホワイトハウスを離れても――辞任は要請されたものだった報じられているが、バノン氏は自ら退いたと言い張っている――かつての上司を攻撃することはしないと言う。ただし、ブライトバートとしては、バノン氏が構想したポピュリスト・ナショナリスト路線を堅持するようトランプ氏にはたらきかけていく。「彼に背を向けることは絶対ない。ただ、彼自身にマイナスになることをむざむざ決断させることはしない」。

 ブライトバートには早くも、その前兆かと思わせる記事が掲載されている。トランプ氏が8月21日に発表したアフガニスタンへの米軍の追加派遣を「急な方針転換」と見なし、さげすむような調子で論じているのだ。ちなみに、バノン氏は増派に強く反対している。