(英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年8月8日付)

米殺人動画の投稿、フェイスブックCEOが再発防止を約束

ペルーの首都リマで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で演説する米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(2016年11月19日撮影、資料写真)。(c)AFP/Rodrigo BUENDIA〔AFPBB News

 ベーシックインカム(基本所得)を全員に保証するという発想には明らかな欠点がいくつもある。だが、圧倒的な長所も一つ存在する。いずれの市民も社会の貴重なメンバーであり、社会全体の富の分け前にあずかる権利を持つという原則を明確にうたっている、という点だ。

 この信条は、英国の政治家トマス・モアが著書『ユートピア』で大まかに提示して以来、500年にわたって数多くの急進的な思想家を駆り立ててきた。現在も、生活水準の低下や富の集中への懸念、そして技術の変化がもたらすかもしれない大量失業の脅威などを背景に、改めて重要視されている。

 しかし、この「ユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)」は過去500年間、夢物語を若干上回る程度のものでしかなかった。現実という大きな岩山にぶち当たるのが常だったのだ。

 主に障害になったのは、原理的な問題と実際的な問題だ。問いかけの形式にまとめれば、次のようになるだろう。

 何もしない人々にどうして金を支給するべきなのか。そもそも、そんなことをする財政的余裕があるのか。

 しかし、欠点を最小限に抑えながら主たる魅力を維持するベーシックインカムの仕組みを設計することは可能だ。米アラスカ州では30年以上前から、優れたワーキングモデル(実用模型)が標準設定で稼働している。

 アラスカでは1976年、永久投資基金なるものを設立する憲法改正案が承認された。同州で始まった石油ブームによる収入を原資にした基金で、その数年後には、登録住民全員に配当金を支払い始めた。

 配当金の額は基金の運用成績に左右されるが、過去10年の実績は1人当たり年額で878~2072ドルとなっている。社会への貢献度や保有する富の多寡とは無関係に支払われる、事実上のUBIだ。