フランスの銘酒アルマニャックを買い漁る中国

バブルの帝国よありがとう、しかし日本も負けじと25%増に

2010.12.16(Thu) 鈴木 春恵
筆者プロフィール&コラム概要

 唐突だが、アルマニャックをご存じだろうか?

 ブランデーの一種で、フランス南西部の特産品であるが、これがなんと、今年がちょうど700年の記念の年に当たり、フランスの蒸留酒としては最も古い歴史を持つのだそうである。

アルマニャックが生まれて今年で700年

 お酒がいつから存在しているのかということは、恐らく厳密に規定することは不可能だろう。

 ではなにゆえ今年で700年と言い切ることができるのかと言えば、この酒のことを記した古文書がバチカンに収められており、それが1310年に書かれたものということが根拠になっている。

 そこには、「アルマニャックがもたらす40の徳」が列挙されており、例えば、「涙が流れるのを止める」「塗って傷を治す」「記憶を呼び戻す」「度を超さない量なら、頭脳を鋭敏にする」「耳の痛みや難聴をなくす」「膀胱や腎臓の結石をなくす」などなど、(本当?)と思えるようなことが、修道院院長によって報告されている。

アルマニャックの樽が眠る蔵

 さて、フランスのブランデーといえば、コニャックは知っていても、アルマニャックは飲んだことがないという方は多いかもしれない。

 それも実はもっともなことで、生産量が圧倒的に少ない。2008年のコニャックの生産量が1億6300万本だったのに対して、アルマニャックは660万本。

 しかも、その6割がフランス国内で消費され、輸出されるのは4割という事情だから、日本では特に、アルマニャックは数の点で既に貴重で、とりわけ通向けの高級酒という認識になってしまっても無理はない。

 ちなみに、同年のウイスキーの生産量は16億本だそうである。

 700年目という大きな節目に当たる今年は、国立アルマニャック事務局主導の様々なイベントが世界各地で開催されたが、中でもメーンイベント週間とも言えるのが11月の最終週。この時期の現地を訪ねた旅のひとコマをご紹介することにする。

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出版社できもの雑誌の編集にたずさわったのち、1998年渡仏。パリを基点に、フランスをはじめ、ヨーロッパの風土や文化、人々の暮らしをテーマにした取材を、文と写真で展開している。


欧州

欧州は観光ばかりでなく農業や地方の活性化、また少子高齢化対策などでも日本が学ぶべき点が多い。日本が課題とするこうした点を欧州ではどのように克服しようとしているのかの実例をお送りする。また、欧州で高く評価される日本の芸術・文化などのソフトパワーについてレポートする。