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イノベーション
2017.08.04

生産性を向上させる“都合のいい働き方”
“目的”ではなく“手段”とせよ。テレワーク導入が遅れる日本企業

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企業がテレワーク導入を拒む理由

テレワークという働き方を、すべての企業や人が歓迎しているわけではないことは、導入企業が13.3%という低い数字を見れば明らか。なにゆえ、これほどまで定着しないのだろうか。

「テレワークを導入していない企業に聞き取りをすると、圧倒的に多いのが『うちの仕事はテレワークではできない』という回答。いわゆる『適用業務範囲問題』ですね」

テレワーク制度を導入している企業であっても、社員側が制度を利用していないケースも。その理由の多くが「自分はヘッドオフィスでしかできない業務を担当しているから」となり、企業の回答と一致しているという。

それでは、実際にテレワークを導入している企業にとっても、「適用業務範囲」の問題が障壁となっているのだろうか?

「じつは、導入企業の多くは適用業務範囲が問題になっているというケースはほとんどありません。私の主観ではありますが、ホワイトカラーの業務はどの会社も大きな差があるとは思えないので、工場勤務などの場所の制約がない限り、ヘッドオフィスでのテレワークの導入は難しくないのでは、と考えられます」

適用業務範囲を始め、テレワークの導入を阻む要因として挙がる「労務管理」「情報セキュリティ」の問題についても、すでに克服できているテレワーク導入企業が多いという。ここで、あるテレワーク導入企業の例を見てみよう。

週に1日の在宅業務を採用した某社のケース

某社は、テレワーク導入前まで、週に10時間前後の時間外勤務が平均的だった。そこで、テレワークが可能な業務を週に1日の在宅勤務日に集約したところ、業務効率と生産性が向上し、時間外勤務の平均が週に6時間にまで削減することができたという。

「仕事には、自分ひとりで完結できる“自律的業務”と、誰かと一緒に進めなければならない、あるいは誰かと行なったほうが効率的な“非自律的業務”があり、日本の多くのサラリーマンはこの2つを会社で行なっていると思います。しかし、自律的業務はテレワークに切り替えたほうが、周囲にジャマされず短時間で効率的にこなすことができ、生産性が向上するという結果が出ています」

ただし、國井氏いわく「これはキレイな話」。実際に効果を上げるためには、テレワーク中の社員の業務の状況をきめ細かく把握し、マネジメントする業務が発生するため、中間管理職の負担が増えることを懸念する声も多い。

そして、テレワークを導入した企業には「コミュニケーション」と「生産性の担保」という課題が残る、と國井氏。

「会社にいなくても、適したツールを使えば対面での会話やテレビ会議も可能です。ところが、オフィスにいるときの“雑談”や“職場の雰囲気をつかむ”といったコミュニケーションは可視化が難しく、テレワーカーとヘッドオフィスの間で共有できない部分でズレが出てくる可能性は高いです」

また、テレワークのメリットとされている「生産性」についても、普及を阻む要因になっているケースもあるそう。

「テレワークを導入した企業の多くは『生産性が上がった』とおっしゃるのですが、じつは確証があるわけではないんです。日本の企業は、日頃から生産性を測っているわけではないので、テレワーク実施前のデータがなく、実施後と比較することができない。そのため『生産性の向上』について信用できる客観的なデータは少なく、テレワーク未導入の企業は懐疑的になっている、という意見はよく耳にします」

生産性が上がる保証もなければ下がる保証もない現状では、“失敗するくらいなら何もしない”ことを選ぶ企業が大半なのだ。

JBPRESS

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