ところが、インドから見ると、その部分が中国の弱点になる。

 インドは、限定的な戦争を志向する代わりにエスカレートさせるかもしれない。例えば、陸上戦に限らず空軍を投入すれば、インドは戦局を挽回できるかもしれない。

 インドの空軍機は標高が低い地域の飛行場から離陸する。多くの燃料やミサイルを積めることになる。現代の戦闘機は同じ時間で複数の敵と戦えるから、燃料やミサイルを多く積めるインドの戦闘機は、中国に比べ数が劣っていても、数の劣勢を補って善戦する可能性がある。

 また、インドは、核戦争の危機を演出して、米国やロシアの外交的な介入をしてくるよう、促すこともできる。

 さらに、中国軍が有利に戦っている場所とは別の場所で攻撃に出て、うまくいけば、インドが失った領土と、インドが奪い取った領土を交換する取引を狙う可能性もある。

 空軍の投入、核危機の雰囲気を利用すること、別の場所へ戦線を拡大し取引を狙う方法、これら3つの方法は、実はインドは過去に実際実施したことがある方法だ。

 1999年に印パ間で起きたカルギル危機の際は、山岳戦で、インドは空軍の投入を決めた。その時、1998年に両国は核実験をしたばかりだったので、核戦争を危惧する米国は急ぎ仲介に乗り出した。

 米国の介入は、インドへの攻撃を仕かけたパキスタン側に厳しく、インド側に立ったものになった。

 また、別の事例であるが、1965年の印パ戦争時には、カシミールでの戦局が悪かったため、パンジャブ州で攻撃に出て、戦後、印パで奪い取った領土の交換を実施したこともある。