「テロ等準備罪」法が可決・成立、徹夜の攻防の末

都内の国会議事堂付近で、「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法に反対する人々(2017年6月14日撮影)。(c)AFP/Kazuhiro NOGI〔AFPBB News

 各界から、「加計学園問題は、連日メディアが大騒ぎするほどの大問題だとは思わない」という声が次第に大きくなっている。

 それもそうであろう。北朝鮮が今年に入って頻繁に弾道ミサイルを発射し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試射にも成功した。米国が設定するレッドラインに近づき、日本の安全にも大いに関わってくるからである。

 そもそも、森友・加計両学園問題は安倍晋三首相や昭恵夫人との友人関係が事業推進に当って「忖度」として働いたのではないかという「疑惑」が発端である。

 そこに前文部科学省事務次官の前川喜平氏が朝日新聞の取材で文書の存在を確認し、また「行政が歪められた」と語り、民進党をはじめとした野党は一気に勢いづき、トーンアップした。

 しかし、本質とも言うべき獣医学部の今治市(愛媛県)へ誘致に長年関わってきた当事者の声は封印されたままであった。当時愛媛県知事であった加戸守行氏は「今までたくさんの取材があったが、取り上げてくれたメディアは極めて少なかった」と述べた。

 両学園問題の構図からは、野党とそれに与するマスコミが、本質を隠し、疑惑を演出して倒閣を目指したと言えるのではなかろうか。

本当は「歪んだ行政」が正された

 現地の声として加戸氏のインタビュー記事を、6月15、16日付産経新聞は「民主政権続いていれば獣医学部の新設は実現」の見出しで報じた。

 加戸氏が知事時代に鳥インフルエンザが発生し、同時期に米国では狂牛病が発生していた。その後、宮崎県では口蹄疫が発生する。愛媛県の港は検疫態勢を採るが獣医師が足りないので、民間のペット獣医師にも参加してもらって不眠不休で大わらわだったという。

 県庁への公務員の志望者が不足しているので獣医師(公務員)の採用ができない。また、家畜衛生試験所の技師(獣医師)が足りないなど、愛媛県だけでなく四国4県すべてが同じ状況であることが分かったと加戸氏は語っている。

 そうした状況のところに、今治市選出の県議が加計学園の進出の話を持ってきた。愛媛県としては「渡りに船」と取り組んだと述べ、4県知事は連名で「四国に獣医学部を作ってくれ」「認可してくれ」と動いたと述べる。

 そこに、「俺たちの縄張りを荒らされる」と反発する勢力が現れたという。

 文科省に行くと「農水省がうんと言わない」、農水省に行くと「いや、獣医師会が反対で」とたらいまわしされたと加戸氏は語る。省益あって国益(地方益?)なしの見事な事例でもあろう。