連載第6回となる今回のテーマは、働き方改革に求められる「業務・マネジメントの見直し」である。

「働き方改革」の目指すところは、大きく言えば「生産性の向上」といっても良い。だが、この「生産性」という概念、正確に理解されずに語られることが多い。

 生産性とはインプットを分母に、アウトプットを分子に置いた数式で成り立つ(図1)。生産性向上を図るには、それぞれが何かを定義し、進める必要がある。

図1 生産性の分母と分子

 ここでのインプットが労働投入時間であることは簡単に理解できると思うが、アウトプットの設定は実は難しい。営業や製造ラインであれば出来高を数字で表わせるが、本社部門の仕事や、営業・製造などを支援する仕事はアウトプットを定義しにくいからだ。

 したがって一般的に事務・企画といったオフィスワークの生産性向上にあたっては、「アウトプット(成果・出来高)は維持する前提で、インプット(投入時間)を減らす」方向にシンプルに進めることが多い。そのうえで「新しい仕事・価値業務を増やす」「出来高を増やす」ことにトライする(図2)。後述の進め方は「インプットを減らす」ことに重きを置いた内容になっている。

図2 働き方見直し・改善活動の進め方

◎連載「働き方改革を進めるポイント」のバックナンバー
(第1回)会社が働き方を変える前に必ずやっておくべきこと
(第2回)なぜ社員は帰れないのか?要因ごとに残業を削減する
(第3回)同時に実現すべき女性活躍と働き方改革
(第4回)働き方改革の軸は「目指す人材像と働き方像」
(第5回)社員の「働き方」を変える制度とルールをどう作るか