(英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年7月11日付)

ロシア、39か国でサイバースパイや偽情報活動 専門家グループ

米首都ワシントンにあるロシア大使館(2016年12月29日撮影、資料写真)。(c)AFP/Brendan Smialowski〔AFPBB News

 彼らは、政敵に関する不利な情報をロシアの情報源から得ると思っていた。当の情報源は、ロシア政府関係者に対する米国の制裁を緩和させるためのキャンペーンを推し進め、自分のクライアントを助けるチャンスを見て取った。

 米国大統領の長男のドナルド・トランプ・ジュニア氏と娘婿のジャレッド・クシュナー氏が「有益」な情報について話し合うために昨年6月にロシア人弁護士のナタリア・ベセルニツカヤ氏と会ったという情報開示は、トランプ陣営がライバルのヒラリー・クリントン氏を傷つけるために積極的にロシアの助けを求めたとの疑惑を招いた。

 では、ベセルニツカヤ氏は一体、何者なのか。彼女はなぜ、持っていたとは思えないクリントン氏に関する醜聞を約束したのだろうか。

 クレムリン(ロシア大統領府)のドミトリー・ペスコフ報道官は10日、ベセルニツカヤ氏のことは聞いたこともないと述べ、「我々は彼女が何者なのか知らないし、当然、国内外でのロシア人弁護士全員の会合を追跡することはできない」と語った。

 刑事専門の弁護士のベセルニツカヤ氏は通常、モスクワ郊外の法廷で弁護を行っている。

 だが、10日に本紙フィナンシャル・タイムズ(FT)と話すのを拒んだベセルニツカヤ氏は昨年、家族ぐるみの友人のデニス・カツィエフ氏の弁護をするためにニューヨークへ飛んだ。2億3000万ドルの脱税で得たとされる利益1400万ドルを米国の不動産に投じてマネーロンダリング(資金洗浄)したとして提訴されていた人物だ。カツィエフ氏の会社プリヴェゾン・ホールディングスは5月、不正行為を認めることなく600万ドル支払って訴訟を和解に持ち込んだ。