(英エコノミスト誌 2017年7月8日号)

米大統領が見解転換 「中国は為替操作国でない」

米フロリダ州ウエストパームビーチにあるリゾート施設「マーアーラゴ」で、首脳会談に臨んだドナルド・トランプ米大統領(左)と中国の習近平国家主席(2017年4月6日撮影)。(c)AFP/JIM WATSON〔AFPBB News

トランプ大統領と習国家主席が友好関係を築くと考えるのは、希望的観測にすぎなかったのか?

 中国の習近平国家主席との初めての首脳会談を今年4月に米フロリダで終えた後、ドナルド・トランプ大統領は「相性がすごくよかった。相性がいいどころか、すごく馬が合った」と熱く語った。だが、独ハンブルクで7月7~8日に開催される20カ国・地域首脳会議(G20サミット)での2度目の会談に備える間に、「シトラス(柑橘類)サミット」と一部で称されたフロリダでの会談で見られた良好な関係は傷んでしまった。

 サミット前の2週間で、中国への批判は計算されたペースで激しさを増してきた。

 まず、米国務省は人身売買に関する年次報告書を発表し、中国への評価を最低ランクのグループに引き下げた。すると次には米財務省が、中国の丹東銀行に制裁を科すと発表した。北朝鮮政府による弾道ミサイル開発プログラムの資金調達を支援しているというのが米国側の挙げた理由だった。

 さらに国務省は、中国が自国の省の1つにすぎないと主張している台湾に、14億ドル相当の武器の売却を認可した(実際の売却にはまだ連邦議会の承認が必要となる)。

 その3日後には、米国防総省が南シナ海に浮かぶトリトン島から12カイリ以内の海域での「航行の自由作戦」に駆逐艦1隻を派遣した。トリトンは西沙(パラセル)諸島に属する島で、ベトナムが領有権を主張しているが、中国が支配している。

 駆逐艦派遣はトランプ政権がこの作戦を初めて実行したときからまだ39日間しか経っていないタイミングで、非常に短い間隔で再度実行されたことになるため、中国の外務省は「深刻な政治的・軍事的挑発」だと不満を述べた(中国の見るところ、トリトン島の海岸から12カイリ以内の海域は中国の領海になる)。