北京大学のキャンパス。中国政府は北京大学に英語のテキストをなるべく使わないよう指導し始めたという(出所:Wikipedia

 中国はこれまでもインターネットに対する規制を行ってきたが、それを一層強化し始めた。この6月から、ネット検閲を合法化する法律「ネット安全法」を施行した。この法律ではネット管理者に対して個人情報の提供を義務づけるとともに、当局が恣意的にネット情報を削除することができる。

 まあ、中国の当局はこれまでも似たようなことを行っていたのだが、これからはそのような行為を堂々と合法的に行えるというわけだ。

 それだけではない。6月初旬に中国に滞在したが、明らかに海外のネットにつながりにくくなっている。日本の新聞の画面に行くと、ホームページは閲覧できても、個々の記事を読むことができない。これまではクリックして1分~2分待つと、敏感詞(「天安門事件」や「大躍進政策」など)がない限り閲覧できたのだが、今回の滞在では全くと言ってよいほど閲覧できなかった。

海外情報の入手制限が大学にまで

 もはや中国のネットはインターネットではない。中国国内だけにしかつながらない“イントラネット“になってしまった。中国人からも、そんな嘆きの声が聞こえてくる。

 その実態は明らかになっていないが、中国ではネットの監視に50万人もの人々が従事していると言われる。ビッグデータの活用も盛んなようで、ネットで購買する品目やインターネットの通信状況から、危険人物を探り出しているそうだ。