相手と「キャッチボールのコミュニケーション」をするのは、実は簡単です。

 なにか気の利いたことを言う必要はまったくありません。逆に、何も語らず、口を閉じて、相手の言うことに耳を傾ければいいだけです。

 もしかしたら、聞くことに徹するのは「難しい」と感じられるかもしれません。相手が自分の考えていることと違うことを言ったりすると、ついつい反論したり、アドバイスしたくなったりするものです。

 でも、ほんの5分間でもいいので、試してみてください。相手はいろいろなこと、それも、それまで聞いたことがないような話もしてくれるかもしれません。

深い話をしてもらうための3つのコツ

「聞く」には、いくつかコツがあります。

 1つ目は、評価、判断、アドバイスをしないことです。自分の価値観はいったん置いておいて、相手の価値観の世界に身を置いてみるのです。「そういう考えもあるんだね~」と。

 2つ目は、リアクションです。やっぱり笑顔は大切です。相手が笑顔だと、ついつい話したくなりますよね。そして、「うんうん」「そうだよね」「いいね!」といった肯定的な相槌も効果があります。

 そして3つ目は、話の内容を深めて、広げるための簡単な問いかけをすることです。例えば、「具体的にはどういうこと?」で話を掘り下げ、「他には?」で話を広げます。この2つの問いかけを使うと、話がどんどん展開していきます。