(英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年6月27日付)

サウジなどの13項目の要求は「主権の侵害」、カタールが非難

カタールとサウジアラビアとの国境にある検問所。カタール側から撮影(2017年6月23日撮影)。(c)AFP/KARIM JAAFAR〔AFPBB News

 サウジアラビアの王座の背後にいる実力者、ムハンマド・ビン・サルマン王子は昨年、加盟国が統合を強化すれば湾岸協力会議(GCC)は世界最大の経済の一角に入り得ると言い、この貿易圏が秘めた可能性を称賛した。「我々は発展と繁栄を達成するために互いに協力する必要がある」。ムハンマド王子は湾岸諸国の政府高官の会合でこう語ったと伝えられている。

 だが、それからわずか7カ月で、アラブ世界で唯一機能している経済圏のGCCが引き裂かれる危機に見舞われている。サウジアラビアとその同盟国が仲間のカタールに対し、前代未聞の断交に踏み切ったからだ。

 カタールとともにGCCに加盟するバーレーンとアラブ首長国連邦(UAE)を含むアラブ諸国は、カタールがテロを支援していると批判し、カタールとの国交断絶と交通遮断に踏み切り、GCCの中核的信条を一挙に台無しにした。

 輸入に依存するカタールへの明白な影響は別にしても、断交は伝統的に同国へトラックで商品を輸送してきたサウジの卸売業者や食品メーカー、地域の金融センターであるドバイから天然ガスや不動産の取引をまとめるためにカタールの首都ドーハを訪れる銀行家、2022年のサッカー・ワールドカップ(W杯)の準備に携わる地域の企業に影響を及ぼす。

 クウェートとオマーンも加盟するGCCは1981年に創設された。イスラム革命の2年後、スンニ派の湾岸君主国がシーア派国家イランからの脅威に対して統一戦線を張ろうとしたためだ。進展は遅かった。だが、国内総生産(GDP)の合計が1.4兆ドルにのぼり、世界の確認石油埋蔵量の約36%を占めるGCCは、紛争と不安定性に長年苦しめられている地域において、重要かつ珍しい協力の基盤となった。

 2003年には関税同盟が、5年後には共同市場が合意された。コンサルティング会社アーンスト・アンド・ヤング(EY)によると、GCCの域内貿易は過去10年間で年間15%拡大した。湾岸諸国の国民は加盟国間で自由に移動し、働くことができた。GCC全域の小売業者と不動産デベロッパーが繫栄した。