(英エコノミスト誌 2017年6月24日号)

独ロ首脳が会談、ウクライナ問題や同性愛者迫害疑惑で対立

ロシア南部ソチで、会談後の共同会見を終え、握手を交わすドイツのアンゲラ・メルケル首相(左)とロシアのウラジーミル・プーチン大統領(2017年5月2日撮影)。(c)AFP/Alexander NEMENOV〔AFPBB News

アンゲラ・メルケル首相は「ノルドストリーム2(NS2)」はあくまでドイツだけの問題だと話している。

 ポロシャツの襟立てやアナログレコードと同様に、ロシアのエネルギーをめぐる米国と欧州の対立が復活しつつある。1980年代の初めに米国のロナルド・レーガン大統領は、シベリア産の天然ガスをソビエト連邦のパイプラインで欧州に運ぶ計画を頓挫させようと試み、西ドイツをいら立たせた。フランスにおいては、大西洋をまたぐ同盟関係の終わりが公言されるほどだった。

 そして今、配役こそ若干変わっているが、交わされる議論の多くは当時のままだ。

 ロシアが提案しているガスパイプライン「ノルドストリーム2(NS2)」について、ドイツは、エネルギーコストの削減と安定供給の確保が実現する悪くないプロジェクトだと考えている。片や米国の政治家(そして東欧の旧共産圏諸国)はこのプロジェクトに、安価なロシア産ガスに対する欧州の依存を悪化させようとするロシア政府の策略をかぎ取っており、ドイツは意気地なしだと非難している。

 プロジェクトの支持者の間で2019年末までの開通が期待されているNS2は、天然ガスをバルト海沿岸のロシア領からドイツの港グライフスバルトに直接供給しようというもので、既設のパイプライン「ノルドストリーム1」と合わせれば輸送容量は現在の2倍になる。

 総工費95億ユーロ(106億ドル)の半分を負担する欧州企業5社の企業連合をはじめとする支持者は、このプロジェクトが欧州の安定的なガス需要と、オランダや北海におけるガス産出量の減少によって生じる需給ギャップを埋める一助になると主張している。

 ドイツ政府、特に連立政権の一角を担う社会民主党(SPD)も同じ考えだ(なお、SPDのゲアハルト・シュレーダー前首相は現在、NS2の取締役会会長の任にある)。ドイツには、NS2によってこの国は欧州のエネルギーハブに変身できるかもしれない、とひそかに期待する人もいる。