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北朝鮮、過去最大規模の砲撃演習実施 報道

北朝鮮で、軍創建85周年を記念した砲撃演習を視察する金正恩朝鮮労働党委員長。朝鮮中央通信(KCNA)配信(2017年4月26日公開)。(c)AFP/KCNA VIA KNS〔AFPBB News

(文:春名 幹男)

「彼はいい人だ」――中国の習近平国家主席のことをそう繰り返し評価するトランプ米大統領。北朝鮮の核ミサイル開発の抑止を習主席に頼り、安心しきっているかに見える大統領の「賭け外交」に対して、米政府内でも不安が強まっている。

 国連安保理が6月2日、対北朝鮮制裁強化決議を全会一致で採択して、日米を含む関係諸国はひと息ついたかもしれない。だが、実は「中国頼み」はアテにならないし、安保理制裁決議の効果も全く期待できないのが現実だ。北朝鮮秘密工作機関「偵察総局」所属の高官を含む14個人・4団体を資産凍結・渡航禁止の対象に追加した新たな安保理決議だが、多くの国連加盟国が制裁を真剣に履行しようとしないため、効果は期待できないのだ。

 制裁決議を尻目に、北朝鮮がアジアからヨーロッパ、アフリカに至るまで世界に張り巡らせた秘密工作のネットワークが機能し続けるだろう。さらに、北朝鮮スパイが操る偽装会社が制裁を破り、武器輸出から金融、出稼ぎ、犯罪に至るまで、多様な工作で外貨収入を積み増し、本国に送金しているのだ。その全体像を掴んで対策を急がなければ、制裁の効果など夢のまた夢だろう。

マレーシアに偵察総局の拠点

 その一端は時折、日本のメディアでも報道される。今年2月、金正恩(キム・ジョンウン)委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏が神経性化学兵器「VX」で暗殺されたマレーシア。同月に公表された国連安保理北朝鮮制裁委員会専門家パネル報告書で、北朝鮮人民軍の対外情報・特殊工作機関「偵察総局」が傘下に置く「グローバル・コミュニケーションズ社(グローコム)」がアフリカなどへの軍事通信機器輸出を行っていたことが判明した。

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