明治「カール カレーあじ」。8月生産分をもって販売終了となる。

「カレー」について前から思ってきたことがある。日本で独自の「カレー文化」が発展してきた中で、菓子の「カレー味」に限っては、さほど根付いていないのではないかということだ。

 それが事実だとすれば、そこには「カレー“を”食べる」か「カレー“で”食べる」かという、日本人のカレーとの向き合い方が関わっているのではないだろうか。

「カール カレーあじ」完全撤退へ

 明治がスナック菓子「カール」の販売縮小を発表してから1カ月。「東日本で買えなくなる」という話題で持ち切りの中、「『カレーあじ』が食べられなくなる」という話題も静かに聞かれた。

カールのブランドサイトによると、カレー味の初代にあたる「カレーがけ」の登場は、オリジナルの「チーズ」「チキンスープ」発売から1年後の1969年。以降「ビーフカレーあじ」「元祖カレーあじ」「南国カレー」「インド風カレーあじ」「おらが村の定番カレー味」「復刻版カレーがけ」「カールSTICK本格カレー味」などを販売してきた。同社も呼んでいるように、カレー味は「定番」にふさわしい味だったといえよう。

 だが、「カール カレーあじ」の終了で、「カレー味」の菓子が1つ減ることになる。「定番」でさえ存続は無理だったようだ。

店ではチーズ味、BBQ味、チリ味が優勢

 ではと、スナック菓子全体に目を向けてみる。すると、実は「カレー味」があまり定着していないのではないかということに気づく。たしかに、スナック菓子のカレー味といえば「カレーのパウダーがまぶされているもの」と想像はできる。だが、その具体的な商品はとなると、いくつ数えられるだろうか。