(英エコノミスト誌 2017年6月17日号)

仏下院選の最終結果判明、マクロン派が約6割の議席獲得

フランスのエマニュエル・マクロン大統領。首都パリ近郊のシュレーヌで(2017年6月18日撮影)。(c)AFP/bertrand GUAY〔AFPBB News

議会選挙での勝利でエマニュエル・マクロン氏は影響力のある大統領になるが、まだ街角の抵抗勢力を屈服させる必要がある。

 フロロンス・ルーリシィ氏は看護師だが、恐らく19日からはフランス北部にあるカルヴァドス県選出の国会議員として新しいキャリアを歩み始めることになる。同様に、消防士のジャン・マリ・フィエヴェ氏は西部のドゥ・セーヴル県選出の国会議員になる。両者とも政治の世界では素人だ。

 2人が所属するのは「共和国前進(LRM)」。先月、生まれて初めての選挙で勝利を収め、正式にエリゼ宮の主――フランス大統領――になったエマニュエル・マクロン氏が率いる新政党だ。これは新たな革命だ。

 国民の期待に背いた政治階級に反旗を翻す動きがフランス全土に広がっている。6月11日に行われた国民議会(下院)選挙の第1回投票は、マクロン氏が14カ月前に立ち上げたばかりのLRMが全577議席のうち少なくとも400議席を勝ち取ることを示唆していた*1

 一方、社会党は大統領選挙で決選投票に進むことさえできなかった党首を含め、現有議席のほぼ9割を失う。共和党は比較的多くの議員が踏みとどまるにせよ、つい数週間前まで――つまり、LRMの勝利が落ちてくるギロチンの刃と同じくらい避けられないものになるまでは――この選挙に勝つつもりでいた。

 マクロン氏は、西側の民主主義国を覆い尽くした大衆の不満に新しい答えを提示している。左派と右派の分断を解消する新しい政治を約束している。かつての活力と自信をフランスに、そしてドイツの支援も得ながら欧州連合(EU)にもよみがえらせたいと考えている。そして、ほかの政治勢力の間に埋もれてしまい、自分たちのメッセージを有権者に届けられずにいる諸外国の政治家たちからも、熱い視線を浴びている。

 マクロン氏がこの革命を成功させるには、優れた考え方とそれを貫徹する能力の両方が必要だ。果たして彼にはそれが備わっているのだろうか。

*1=記事が出た後の第2回投票の結果、LRMは350議席となった。