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イノベーション
2017.06.19

IoT時代到来、データ主導社会を目指す日本の課題
東京オリンピックに間に合うか? 「IoTおもてなしクラウド」実現に必要なこと

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宗教上の食事制限にも対応

イスラム教やヒンドゥー教といった宗教では、食べてはいけない食材がある。訪日してきた外国人の中にはこういった宗教上の戒律により、食事注文に細かい注意を払わなければいけない人もいる。メニューの中には目に見える食材だけではなく、使われている調味料にも禁忌とされる食材が入っているかもしれないためだ。

「IoTおもてなしクラウド」では、ICカードをかざすだけで、あらかじめ登録しておいた食の禁忌情報などを読み出せる。これによって、レストラン側は食材に制限をもった顧客に対し、希望にそったメニュー提供が実現した。

お土産を購入するときにも、「IoTおもてなしクラウド」は役に立つ。たとえば、通常の免税手続きでは、訪日外国人はパスポートを提示し、免税のための書類を作成する必要がある。これが「IoTおもてなしクラウド」になれば、ICカードをかざすだけでパスポート情報が店舗に伝わり、免税に関わる措置を簡素化できるというわけだ。

免税のための手続きが簡素化される

そのほかIoTおもてなしクラウドは、様々な施設への入場シーンにも利用できる。訪日外国人は券売所でチケットを購入し、同時にチケット購入情報をICカードに紐づける。こうすることで、入口では、ICカードをかざすだけで、入場手続きが可能となり、入場管理が簡素化され、効率化が図れる。

またセキュリティ面でも、必要に応じて本人確認ができるため、不正転売の防止に役立つ可能性がある。

ICカードをかざすだけで、入場手続きが可能となる

2020年に開催される東京オリンピックに伴い、都内では美術館や博物館が連携して1つの入場券でどこの施設でも利用できる共通パスポートのプロジェクトが進行中だ。1回は券売所で入場券を購入しなければならないが、以降はICカードのみで美術館や博物館に入場できるようになる。

ここで問題となるのが、「個人情報取り扱い事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない」という個人情報保護法だ。ICカードで情報を読み出す行為自体が、個人情報保護法における第三者に該当するのだ。

実証実験では、この第三者が加わるたびに、用途と情報をスマホアプリでお知らせするかたちをとった。その際は、2000人以上の訪日外国人ひとりひとりに同意をもらうことができたという。

さて、「IoTおもてなしクラウド」の評判は、どうだったのか。

利用者にアンケート調査を実施したところ、訪日外国人の8~9割が肯定的であり、潜在ニーズは非常に大きいことがわかったという。その一方で、登録や同意の手続きが面倒であるとの指摘もあったそうだ。

サービス提供側にとっては、どうだったか? 残念なことに現在の制度がそのままの状態であると、提供がなかなか難しいという話だ。

「便利で技術的にも可能なサービスであるが、今の制度の上ではなかなか難しい。政府は課題に取り組む必要があり、そこに役割があると考えている」と、小笠原氏。

IoTおもてなしクラウド事業 利用者アンケートの結果

日本人の「おもてなしの心」を体現した「IoTおもてなしクラウド」。このサービスを東京オリンピックまでに実現すれば、訪日外国人の心をガッチリと掴みとることができるだろう。それを実現するたに必須の2つのこと。「インフラの整備」と「制度の準備」を、しっかりと固めることを期待したい。

JBPRESS

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