米特別検察官、トランプ氏を司法妨害の疑いで捜査 重大な転機に

ドナルド・トランプ米大統領周辺とロシアが共謀した疑惑の捜査を指揮するロバート・モラー特別検察官。米首都ワシントンで(2013年5月16日撮影)〔AFPBB News

「ロシアゲート」疑惑で風雲急を告げる「トランプ幕府」

 メリケン国の「トランプ幕府」は大揺れに揺れている。

 時の将軍(ドナルド・トランプ大統領)から切腹を命じられた「火付盗賊改方」(ジェームズ・コミ―前FBI長官)がこともあろうに将軍を「嘘つき」呼ばわり。将軍を取り巻く「太鼓持ち家老」たちは「火盗改は幕府の極秘覚書をリークした」と騒ぎ立ている。

 これまで「ロシアゲート」疑惑に関わっていたとの疑いで蟄居を命じられていた火盗改の上司、若年寄(ジェフ・セッションズ司法長官)は「葵の御門(の印籠)」(大統領特権)を翳して「この紋所が目に入らぬか」と将軍の弁護に目の色を変えている。

 将軍にとっては数少ない、昔からの子分だ。

 江戸の町民(米国民)はうんざり。そうした矢先、江戸城下では「譜代大名」(スティーブ・スカリス下院共和党院内幹事)が何者かに命を狙わる事件が起こった。

 巷には、「いつ腹を召されるか」(弾劾や辞任があるか)と書きたてる瓦版(フェイクニュース)が横行している。講談なら、差し当たり、ここで「べべん、べんべん」となるところだろう。

「分別も責任感もある米国の大人たち」はどこへ行った

 風雲急を告げる大江戸で今、「世直し」本が静かなブームを呼んでいる。

 タイトルは「The Vanishing America Adult」(滅びゆく米国の分別ある成人)。

 サブタイトルは「Our Coming-of-Age Crisis--and How to Rebuild a Cuture of Self-Reliance」(忍び寄る危機──いかにしたら独立独行文化を再構築できるか)。

 筆者(Ben Sasse)は「譜代大名」(共和党)の末席を汚す身分(上院議員=ネブラスカ州選出)だが、「関ケ原の戦い」(大統領選)の時から「我が将軍(トランプ候補)も敵将(ヒラリー・クリントン民主党大統領候補)も信用できぬ嘘つき」と公然と言ってのける強者だ。当年とって45歳。

 上院議員1期目の「陣笠」だが、メディアからは早くも注目されている。