味千ラーメンの中国広東省深圳市の店舗(資料写真、出所:Wikipedia

 前回(「毎日ビリオネアが誕生、スター経営者を輩出する中国」)は、中国ベンチャー市場を読み解く上での第1のキーワードとして、「継続的なスーパースター(企業・起業家)の誕生」をご紹介し、「1カ月に1つ誕生するユニコーン企業」「名実ともに中国の主役となったB・A・T(バイドゥ、アリババ、テンセント)」「1日1人誕生するビリオネア」といった象徴的なトピックについて見てきた。

 では、それらのスーパースター企業が立脚しているのは、どういった業界・テーマなのだろうか?

「中国ベンチャー市場を読み解く6つのキーワード」の2つめとして、今回、深掘りしてみたい。

中国ベンチャー市場を読み解く6つのキーワード
(出所: Legend Capitalとの討議よりDI作成)

中国ベンチャー市場を読み解く6つのキーワード
(2)様々な創業アイテム(前編)

・中国ベンチャー市場の創業アイテム:大きく5パターン

 まず、中国ベンチャー市場で非常に興味深いのは、「革新的な領域」以外に、先進国では既に成熟期に入ってしまった「伝統的な領域」でも、継続的に、起業と成長の機会が創出されていることである。

 今回、そうした視点から、中国ベンチャー市場の創業アイテム(業種・テーマ)を5パターンに大別した。

 下の図を見ていただきたい。左側は薬局、レンタカーといった伝統的な色合いの強い領域、そこから右に行けば行くほど、ドローンやIoTといったイノベーション領域に近づいてくる構成だ。

中国ベンチャー市場の創業アイテム(全体像、赤字は記事内で言及)
(出所: Legend Capital提供資料を基にDIがリバイズ)