This picture taken on May 29, 2017 shows statues standing semi-submerged in mud, a symbol of the human toll of the 2006 disaster, at the mud volcano incident area in Sidoarjo, East Java./AFP PHOTO/JUNI KRISWANTO

 私は公認会計士であるとともに、企業の経営を心理的側面から分析して経営改善を行う経営心理士として、経営コンサルティングを行っている。

 以前、15人ほどの従業員を抱えるIT系企業の社長がこんな悩みを話された。

 「人が増えて会社の規模が大きくなるにつれ、自分と部下の距離が遠くなり、冷めている部下が増えてきました。自分は孤独でオフィスがアウェーに感じます。出社するのがつらいんです」

 このような悩みを告白される経営者は少なくない。経営者のみならず、多くの部下を抱える上司であれば同じような悩みを抱える方もいらっしゃるかもしれない。

 こういった状況に陥っている場合、各メンバーとのコミュニケーションが不足していないかを考える必要がある。

ロバート・ザイアンスの提唱した単純接触効果

 米国の心理学者であるロバート・ザイアンスは、人間は接触回数が多いほど相手に好意を持つようになるという単純接触効果を提唱した。

 例えば、あまり好意を持っていなかったタレントでも、テレビのCMやドラマで繰り返し見るうちに次第に好意を持つようになったという経験はあるのではないだろうか。このように繰り返し何らかの形で接触する機会を持つことで、相手との距離は近くなる可能性は高くなる。

 もちろん空気を読まずに多くの接触の機会を持つことは逆効果になることもある。その点は十分な配慮が必要である。

 加えて、ザイアンスは、人間は知らない人に攻撃的、冷淡な対応をするという点、そして人間は相手の人間的な側面を知った時により強く好意を持つようになるという点についても言及している。

 これらの内容は「ザイアンスの法則」として紹介されることが多い。