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イノベーション
2017.06.13

執筆から配信までわずか2分 脅威のスピードを誇るAI記者
「AWS Summit Tokyo 2017」特別講演レポート

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第3次AIブームのなか、生み出された“AI記者”

日本経済新聞社は、2017年1月25日に人工知能(以下、AI)が文章を生成するサービス「決算サマリー」を公開。これは、上場企業が発表したデータをもとに、AIが文章を作成し「業績速報」として配信するサービスだ。記事公開まで、人の手は一切加えられないという。

まずはじめに、『ゴルフ・ドゥの17年3月期、純利益12.5%増8100万円』という記事をスライドに映し出した。その内容はというと、前年比などの推移はもちろん、同社の売上高が前年を上回った理由を「直営店およびフランチャイズ加盟店への業績に貢献している」ことなど、しっかり要点を捉えた記事となっている。この記事こそが、AI記者によって作られた記事だという。

「日経のデジタル事業の中でもっとも力を入れているのが、このAIサービス」と語る藤原氏。第3次AIブームと呼ばれている今、同社が開発したAI記者への反響も大きかったという。はたして、AI記者はどのようなプロセスで業績速報を配信しているのだろうか?

AI、IoT、ビッグデータに関する記事数の変化をまとめたグラフ。
2017年はAIの記事数がダントツに多く、注目度も高い

「まず『東京証券取引所適時開示情報サービス』が開示した『決算短信』というデータを取得します。決算短信とは、売上や利益などの数字と、決算状況に至った背景が書かれたPDFとXBRL形式のデータのこと。この決算短信を日経のサーバーに取り込んで、Amazon Web Serviceで構築したシステムに読み込みます」

読み込まれたPDFから項目ごとにテキストを抽出し、文章の各構造を解析。原因と結果の文書ペアを見つけ出して、ネガティブ文とポジティブ文を分析。そこから、業績要因とそれ以外の文を分類する。分類された文章は、日経が定めた基準をもとに、さらに業績要因を選択してから、文章を読みやすく要約して整えた後、記事が公開される。

図解されたAI記者による記事公開までのフロー

こうして、分析と解析を重ねて生成された記事は『日経電子版』と『日経テレコン』上に配信。なんと、配信までにかかる時間は2分ほど! とてつもない速筆記者だ。

「AIが書いた記事には、内容が非常にコンパクトという特徴があります。そのため、人間が書いた記事と見比べると違いがわかります。見分けるポイントは『なぜこの業績結果につながったか』という文章の書き方です」

藤原氏が例にあげたのは、雪印メグミルクの決算に関する記事。人間記者の文章には「自宅で酒をたしなむ『家飲み』が広がり、おつまみ用のチーズ商品が好調だった」などの補足情報がある一方で、AIの記事には「チーズは市場が伸長する中で好調に推移した」というように、原因と結果を端的にまとめている。

向かって右がAI記者の記事。少々淡白な印象があるが、その内容になんら問題はない

 

JBPRESS

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