安倍政権をめぐる情報戦から警察とマスコミのただならぬ関係が見えてくる(写真はイメージ)

 このところ安倍政権をめぐる情報戦が激しくなっている。加計学園の獣医学部新設に「総理のご意向」が働いたという話を文部科学省の前川喜平・前事務次官が明かしたところ、彼が「出会い系バー」に通っていたという話が出てきた。さらに準強姦事件で「安倍側近」の元TBS記者の逮捕状を警察が押さえたという話が出てきた。

 どっちも事件そのものは小さな話だが、警察がからんでいるという共通点がある。出会い系バーの話は読売新聞が報じて話題になり、元TBS記者の問題は、警視庁の刑事部長が逮捕状の執行を止めたという。ここには巨大権力・警察の一端が見える。

読売新聞の書いた前次官の「下ネタ」

 加計学園の怪文書は、朝日新聞が5月17日の朝刊1面トップで取り上げた。その情報源が取り沙汰されている22日に、読売新聞が朝刊社会面で「前川前次官 出会い系バー通い」と書いた。この記事には加計学園のことは書いてないが、前川氏が怪文書のネタ元だと分かる書き方だった。

 そのあと25日に前川氏が記者会見して文書の存在を確認し、出会い系バー通いで昨年秋に杉田和博官房副長官から注意処分を受けたことも認めた。これについて彼は「女性の貧困問題を調査していた」と語ったが、菅官房長官は「強い違和感を覚えた」と記者会見でコメントした。

 杉田氏は警察庁出身で、一般には知られていないが、霞が関では恐れられている人物だ。それは彼が政治家や官僚の不祥事をすべて把握しているからだ。前川氏の名前も店から通報されるとは思えないので、歌舞伎町を巡回している警察官から上がってきた情報だろう。前川氏はスーツで店に出入りしていたらしいので目立ったと思われるが、出会い系バーに通うこと自体は犯罪でも違法行為でもない。