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仮想通貨ビットコイン(Bitcoin)の貨幣。

【連載第3回】

「インターネットの次に来る革命」が、世間をにぎわせています。FinTech、位置情報、そして、IoT。「テクノロジー4.0」と称される現在のテクノロジーは、ビジネスモデルや経済のあり様を変えていきます。テクノロジー4.0にはどんな利点があり、今後どのようなビジネスが生まれてくるのでしょうか。

(前回の記事「テクノロジー4.0が生む『新しい格差』。得するのは誰か」はこちら

国家に代わり、テクノロジーが金融の世界を支配する

通貨の歴史は技術革新によりつくられてきた

 FinTechとは、Finance(金融)とTechnology(技術)を融合させた造語で、具体的にはスマートフォンやビッグデータなどのITを用いた金融サービスや金融商品の登場を指しています(図2-1)。ここにきてFinTechが注目されるようになった理由として、ブロックチェーンやビットコインといった、既存モデルとは異なる技術が開発されたことが挙げられます。

 通貨にも歴史がありますが、いずれの通貨も、全てその時代のテクノロジーが成立の背景となっています。

 例えば金貨や銀貨、銅貨を同じ大きさ、同じ重さで大量に作るには鋳造と貨幣製造という技術革新が必要で、その技術は中央政府以外には持ち得ないものでした。


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