宮城県・栗駒高原の製材所。栗駒高原は全国屈指のスギの名産地だ(写真提供:ワイス・ワイス、以下同)

 2017年5月20日、非常に注目すべき法律が施行された。通称「クリーンウッド法」、正式名称「合法伐採木材等の流入及び利用の促進に関する法律」。

 感慨深くこの日を迎えた人物がいる。家具・インテリアの製造販売などを手がける「ワイス・ワイス」(東京都渋谷区)の代表取締役・佐藤岳利氏(52)だ。

「何年もかけて、ようやく、議員立法という形で実現しました」

 環境団体と共に、佐藤氏らも加わり成立させたこの法律によって、住宅・家具メーカーはもとより、木材に関わるすべての企業は、今後、違法に伐採された木材や、それを用いた製品に対する責任が問われることになった。

 これまで、日本では、世界各地の途上国で違法に伐採された木材を中国などで製材し、材木ないしは製品として輸入する“木材ロンダリング”が常態化し、環境団体や欧米先進諸国から長年にわたり、激しい非難を浴びてきた。日本に入る違法材は全体の15~30%という説もあるが、合法性を証明する書類が売買される輸出国もあり、実数はつかめない。しかも、そうした事実は、日本国内では、業界関係者以外、ほとんど知られることもなかった。

 そのため“エコでオシャレなライフスタイル”を満喫しているつもりの一般生活者が、知らないうちに、違法材に囲まれ、地球環境破壊に手を貸していることも、実は、非常に多かったのである。

 しかし、今回の法律の施行により、そうした状況から脱却し得る可能性が出てきた。