米アップルの「宇宙船型」新社屋、間もなく完成 総工費5600億円

米カリフォルニア州クパチーノで完成間近のアップルの宇宙船型新社屋「アップルパーク」(2017年4月28日撮影)。(c)AFP/Getty Images/Justin Sullivan〔AFPBB News

 米ウォールストリート・ジャーナルやインドのエコノミック・タイムズなどの報道によると、かねて米アップルが計画していた、iPhoneのインド生産が始まったようだ。

インド産のiPhoneが店頭に

 これまで、アップルの製造パートナーである台湾の電子機器製造受託業者、ウィストロン(緯創資通)がインド・カルナータカ州の州都、バンガロールで、iPhoneの組立業務に特化した工場を設置すると、伝えられていた。

 今回の報道によると、この工場ではその後順調に準備が整い、このほどその試験操業が終わった。ここではiPhoneの廉価モデルである「iPhone SE」の組み立てを行うが、同モデルは月産2万5000~5万台体制で組み立てられ、2017年5月第3週にも最初のインド産iPhoneが店頭に並ぶ可能性があるという。

 急成長していた世界のスマートフォン市場を支えてきた中国では、ここのところ販売が減速している。そうした中、アップルはインドにおける自社ブランド構築の新たな手法を模索しており、iPhoneのインド生産はその一環だと、ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。

 また、アップルはiPhoneをインドで生産することで、同国における販売価格を引き下げられる可能性があるという。

 現在のインドにおけるiPhone SEの販売価格は320ドル。これは米国における販売価格の399ドルよりも安いが、インドのスマートフォン平均販売価格は131ドルとなっている。iPhone SEはアップル製品の中で安いと言っても、いまだ多くの人々にとって手が届かないスマートフォンだ。ある政府関係者は、インド生産が始まったことで、iPhone SEは今の価格より100ドル安くなるのではないかと期待しているという。

 ただし、いずれにしてもアップルはiPhoneの電子部品をインドに輸入しなければならず、部品関税を支払う必要がある。アップルはインド当局に税の軽減措置などを求めているが、同社が望む回答は今のところ得られていない。