モディ首相の製造業促進策を後押し

 一方、インドでは、ナレンドラ・モディ首相が「Make in India(インド製造業の促進)」政策を推し進めており、iPhoneのインド工場は、この政策に沿っている。ウォールストリート・ジャーナルによると、インド政府はiPhoneのインド工場を歓迎しているという。ある政府関係者は、「アップルはインドにおけるiPhoneの製造を拡大する可能性がある」と話しており、iPhoneの工場をさらに誘致したい考えを示している。

 この政府関係者の発言は、アップルがインド政府から何らかの優遇措置を受けられ、念願のインド直営店をオープンできる可能性が出てきたと、言えるのかもしれない。

実現なるか、インドの直営店展開

 というのも、インドにはアップルが米国や日本などで展開している直営店「Apple Store」が、まだ1店舗もない。アップルはその代わり、インドの大手・中堅小売業者と提携し「Apple Premium Resellers」というフランチャイズ方式でアップル専門店を展開したり、地場小売店の中に販売コーナー「Apple Shop」を設けたりして小売り事業を展開している。

 しかし、同社はインドでも他国と同様の直営店を開設し、他のアップル製品とともにブランドをアピールできれば、小売り事業のテコ入れが図れると考えている。

 ただ、それがままならない状況が続いているのだ。インドではApple Storeのような店舗は「シングルブランド・リテール」に分類され、その外資比率が51%を超える場合、金額ベースで約30%の製品と部品をインド国内企業から調達しなければならない。

 これが、いわゆる「30%調達ルール」だが、アップル製品はこれまで大半が中国で製造され、部品も中国などインド以外の国で作られており、この要件を満たせていない。