(英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年5月3日付)

トランプ政権、税制改革案を発表 法人税15%に引き下げ

米首都ワシントンで、ドナルド・トランプ政権の税制改革案を発表する、国家経済会議のゲーリー・コーン委員長(左)とスティーブン・ムニューシン財務長官(2017年4月26日撮影)。(c)AFP/MANDEL NGAN〔AFPBB News

 ドナルド・トランプ大統領の就任後100日間には、良い知らせもあれば悪い知らせもあった。良い知らせは、混乱してはいるものの、大方の予想以上にオーソドックスなポスト・レーガンの共和党員として政治を行っていること。悪い知らせは、大方の予想以上にオーソドックスな共和党員として政治を行っていることだ。今では、この指摘が国内・対外のすべての主要政策分野に当てはまるように思える。経済政策においては明らかにそうだ。

 米国のインフラを再建する構想は色あせた。貿易保護主義も中途半端に見える。しかし、規制緩和はまだ目標の1つに掲げられている。税制改革も同様で、財源の裏付けのないバラマキと財政赤字における呪術思考というおなじみの組み合わせが残っている。トランプ氏の政策はますますロナルド・レーガンのそれに似てきているが、その出発点はレーガンのときより好ましくない。

 税制改革案を発表する際、ホワイトハウスは、トランプ政権にまつわる人々の経験を本質的な意味で確固たるものにしてみせた。税制の抜本的な改革案をこれほど大ざっぱな内容の紙1枚で発表する政府はほかに思い浮かばない。これが米国の政策立案能力の評価に大きな打撃をもたらすというのでなければ、笑ってしまうような話だ。連邦議会に提案されるころには、もう死んでしまっているに違いない。言ってみれば、最初から生きていなかったのだから。

 しかし、ホワイトハウスが4月末に公表したこの紙には、トランプ氏が大統領選挙中に発表したアイデアに非常によく似たことが書かれている。シンクタンクの税政策センター(TPC)が昨年10月に公表した分析に再び手を伸ばしてみよう。

 このような税制改革案が実際に法律になるとはほとんど考えられないが、あの分析に目を通せば、トランプ政権の出発点が財政政策の常識からかけ離れたものであることが理解しやすくなるだろう。