台湾の蔡総統、潜水艦の独自建造計画を発表

台湾南部の高雄で潜水艦に乗り、手を振る蔡英文総統(2017年3月21日撮影)。(c)AFP/SAM YEH〔AFPBB News

 いま世間の関心は、米国が北朝鮮に対し軍事行動に出るかどうかに集中している。北朝鮮による6度目の核実験や、米国本土を射程に収める能力を誇示するような大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験などが行われれば、その挑発行動に対し米国も何らかの行動に出る公算は高いだろう。

 もし米軍が武力行使に踏み切れば、北朝鮮も無抵抗のはずはないから、韓国への攻撃やわが国にある米軍基地へのミサイル攻撃などが想定されることになる。長く太平洋戦争後の平和を享受してきた日本にとって、安全保障についての見方を根本的に見直すことを余儀なくされる事態となろう。

 しかし、「ソウルが火の海になる」ような事態の展開や、北朝鮮による先制的な核兵器使用を米国は恐れているだろうし、中国も米朝の全面衝突や朝鮮戦争の再現を望んではいないはずである。武力衝突に至らないで済む「最適解」があるとすれば、北朝鮮が非核化を受け入れて国家を存続させることである。だが金正恩が非核化を受け入れる可能性はない。だとすれば、「できるかどうか」の議論は別にして、中国が働きかけて北朝鮮でクーデターを起こし、金正恩を排除して中国のコントロールが可能な「傀儡政権」を打ち立て、中国の庇護下で「非核化」するしか落とし所はないのかもしれない。

 そんなシナリオは実行不可能だとかナンセンスだと言われても、現実的にはそれしか朝鮮半島情勢のカギを握る米中の共有する利益を保証する方途は見つからないのではないか。