トランプ氏のリゾート施設で13件の衛生基準違反 安倍首相も利用

表向き外交は順調に進んでいるように見えるが・・・。写真は米フロリダ州パームビーチにあるドナルド・トランプ大統領のリゾート施設「マーアーラゴ・クラブ」で食事を共にする安倍晋三首相(中央左)、ドナルド・トランプ大統領(中央右)、昭恵夫人(右)、メラニア夫人(左)、ニューイングランド・ペイトリオッツのオーナー、ロバート・クラフト氏(左下、2017年2月10日撮影)〔AFPBB News

 「トランプ政権内に、アジア問題の専門家はいませんから」

 3月下旬、筆者が首都ワシントンで取材した時、クリントン政権時代に国務次官補を務めたスタンレー・ロス氏は、ドナルド・トランプ(以下トランプ)政権をこう言って批判した。

 トランプは大統領就任後、何人もの首脳と会談している。だが、ロス氏は誰とも実りある会談ができていないと述べた。最大の理由は、政策担当の高官がまだポストに着任していないからだという。

 2月に安倍晋三首相が、4月に習近平国家主席がフロリダ州に出向いた。表舞台では安倍・習両首脳は笑顔でトランプと写真に収まった。しかし2国間交渉の細部は詰められなかった。

政権内に日本通が見当たらない

 取材を進めると、トランプ政権を支える主要ポストに、アジアの専門家だけでなく「日本通」が見当たらないことも分かった。

 全くいないわけではない。知日派と言われるウィルバー・ロス商務長官は閣僚に名を連ねている。ただ、その他の省庁の高官クラスがまだ決まっていない。人事が大幅に遅れているのである。

 どれくらい遅れているのか。大統領が代わるたびに、ワシントンの省庁では4000人以上の連邦職員が入れ替わる。その中で、要職(政治任用者)と言われる554人は連邦上院から承認を受ける必要がある。

 4月14日現在、554人中で承認されたのはまだ22人に過ぎない。たった22人である。

 指名されて、承認を待っているのが24人。この数字からも分かるように、ほとんどの要職はまだ指名さえも済んでいないのだ。