米国は対北「軍事的オプション」評価中、ホワイトハウス高官

フィリピン海で行われた海上自衛隊と米海軍の共同巡航訓練に参加した米海軍の空母カール・ビンソン(中央、2017年3月31日入手、資料写真)。(c)AFP/US NAVY/MCS 3rd Class Matt BROWN〔AFPBB News

 不確実性下の意思決定においては、将来生起するシナリオを複数想定するシナリオ分析が標準的なモデルだ。地政学的リスクが高い現下の状況では、投資の意思決定において特に重要だろう。

 風雲急を告げる地政学的リスクについて、一般的な情報を前提に、シナリオ分析の概要を示しておきたい。

(1)シリア

 元々トランプ政権は、オバマ前大統領時代のシリア政策とは一線を画し、IS打倒を優先してアサド政権の存続を容認する意向を示していた。にもかかわらず4月4日にアサド政権は、化学兵器で反体制派を攻撃する暴挙に出た。

 現時点では本当にアサド政権がこの暴挙に出たのかどうか判然としない。いずれにせよ考えられるのは、米国の北朝鮮攻撃が近いと見込んだロシアかイランあたりの勢力が背景となり、米国は中東と朝鮮半島の2面での戦争遂行が無理と見込んだ上での暴挙、と見るのが自然だろう。