スバル全体のモデルラインアップの年次改良計画では、当初は上級車へのSGPの導入を予定していたという。「モデルラインアップとしては下位にあるインプレッサへの導入は予定していなかった。だが、このタイミングで導入する必要性を強く感じたため、役員会に上申した」(インプレッサの開発総責任者)という。その恩恵を、インプレッサの派生車であるXVも受けたというわけだ。

 こうした前段があるため、筆者としては新型XVに乗り込んだとき「インプレッサ並みに先代との違いが分かるのは当然だろう」と踏んでいた。ところが驚いたことに、VXの先代モデルとの差は、インプレッサの新旧の差よりさらに大きく感じられた。

 一昨年、スバル幹部が新型インプレッサの量産試作車にテストコースで試乗した際、「走り出して30メートルほどで先代車との違いが分かる」と言ったそうだ。むろん、筆者も同じような印象を持った。だが、今回の試乗で筆者が新型XVに対して感じたのは、「走り出して、5メートルで違いが分かる」だった。

試乗会は軽井沢のスキー場の一部を使って実施された。

SGPとサスペンション改良の効果

 インプレッサに比べて最低地上高が上がった腰高な姿勢であるXV。当然、ロール量(車体の左右方向に対する揺れ幅)やピッチング量(車体の前後後方に対する振れ幅)が大きくなる。ところが、新型XVにはそうした気配が感じられない。