中国人の訪日客を増やすために政府や自治体があの手この手で施策を展開している(写真はイメージ)

「爆買い」は終了したが、中国人客は相変わらず日本にとって大事なお客さんである。

 政府は「2020年までに年間訪日客を4000万人まで増やす」という目標を掲げている。現在、訪日客の中で最大の割合を占める中国人客をさらに増やさない限り、この数字は実現不可能とみられている。

自治体の大盤振る舞い

 政府や自治体は中国人客に日本に旅行に来てもらうために、あの手この手で誘致策を展開している。

 まず、政府は観光予算を積み増している。2017(平成29)年度の観光庁の予算額は、前年比4%増の255億9900万円を見込む。2015年度までは100億円規模で推移していたが、2016年度に一気に245億4500万円となった。前年比で約2.4倍、金額は約140億円増という力の入れようだ。

 地方自治体は助成金の大盤振る舞いである。クルーズ船の誘致、航空路線の誘致、ツアーの誘致などになりふり構わず予算をつぎ込んでいる。

 X市の観光協会のホームページを開いて驚いた。「今なら空港利用助成と合わせると、最高75万円!」と赤く強調された数字が目に飛び込んでくる。これは、視察や研修旅行などをX市で行ってもらうための施策の一環だ。X市への宿泊数がのべ30泊以上の視察・報奨・研修旅行に、一泊につき1人2000円(助成金空港利用助成と合わせて最高75万円まで)を助成するという。