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2017.04.17

IoT時代のプライバシー、どうやって保護するべき?
IoTの健全な発展は適正に「規制」してこそ

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──私たちはすでにそういうプロファイリングをされているのですか。

宮下 私たちが思っている以上にビッグデータの分析は進んでいます。プロファイリングも当然、行われています。そしてそのデータが出回っています。アメリカでは消費者の不動産の取引履歴やアマゾンの購入履歴、フェイスブックの広告の閲覧履歴などがすべて「データブローカー」に共有されています。誰が妊娠をしていて、どの顧客が花粉症にかかっているかなど街のスーパーでもプロファイリングは行われています。

宮下 紘(みやした・ひろし)氏
中央大学総合政策学部准教授。一橋大学法学研究科博士後期課程修了。内閣府個人情報保護推進室政策企画専門職、駿河台大学法学部専任講師(後、准教授)などを経て現職

 さらに言うと、日本の個人情報保護法には消費者の申し立てによる救済措置がありません。「企業にプロファイリングをされて差別を受けました」と言っても救済する手だてがないのです。そのため、被害者は裁判所に行って訴訟しなければなりません。訴訟するためには証拠が必要になりますが、証拠は企業のほうが圧倒的に持っているわけですから、被害者が企業と渡り合うのは大変です。

 一方、アメリカでは「連邦取引委員会」(FTC)、EUでは「個人データ保護監督機関」といった独立監督機関があり、不正なプロファイリングがあると立ち入り検査をしたり、消費者の権利救済の役割を果たしています。

──日本にはそういう機関はないのですか。

宮下 2016年1月に内閣府の外局として「個人情報保護委員会」という組織が設置されましたが、委員会が消費者の申し立てを受けて権利救済のために動けるという条文がありません。日本の個人情報保護法は、あくまでも違反をした事業者を取り締まる事業者取締法規になっています。事業者側の義務ばかり書かれていて消費者の権利救済がほとんど書かれてないのは、私は今後の課題だと思います。

「匿名加工情報」の危険性

──5月30日より、改正された個人情報保護法が施行されます。改正の目玉の1つとして「匿名加工情報」の概念が新たに盛り込まれました。これをどう評価していますか。

宮下 匿名加工情報とは、個人情報に含まれる記述などの一部を削除したり、個人情報に含まれる個人識別符号の全部を削除したりすることによって、特定の個人を識別できないように加工し、同時に個人情報を復元することができないようにしたものです。つまり、個人が識別できず、復元することができない情報です。

JBPRESS

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