また、上司・周囲を巻き込みながら職場を変えるというプロジェクトリーダー的な役割の経験は、従来、補助的業務経験が主流であった女性社員の新たな能力を開発できるという点で、女性活躍の重点課題にも同時にアプローチすることができる。
女性社員にリーダーを任せる時の3つのポイント
女性社員にリーダーを任せる際に、女性社員の傾向に配慮して注意しておきたいことを、最後にまとめておこう。以下の3点である。
(1)任用の理由を具体的に伝える
従来、リーダーや推進役は男性社員が担うことが多いため、任用された女性社員は「自分には難しいのではないか」と自己否定に陥りやすい。これまでの経験や能力の評価、直面している現状への配慮などを踏まえて、「あなたにやってほしい理由」を具体的に伝え、自己効力感を高める。
(2)本人が改革に取り組む意味を明確にする
周囲からの抵抗や異論を受けても、粘り強く改革を推進するために、その働き方改革に取り組む意味やメリットを対話から引き出し、明文化しておく。迷ったときはそれを拠り所とする。
(3)活動推進のフレームワークづくり
問題解決の考え方、議論(会議)の進め方など、改革活動に必要な基本的なスキルやフレームワークを、女性は日常業務の中で習得していない場合がある。活動の進め方について悩まないようフレームワークについてのレクチャーや情報提供などのサポートを行う。