やってみたら簡単だった電力会社の切り替え

電力自由化時代のエネルギーの考え方

2017.04.07(金) 稲垣 憲治
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49601
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世界企業の再生可能エネルギー選択

 最後に世界に目を向けてみます。世界企業では、再生可能エネルギー電気を選ぶ動きが加速しています。例えば、100%再生可能エネルギーで事業運営を行うことを目標に掲げる国際イニシアチブ「RE100」には様々な業界の名だたる世界企業が名を連ねています。

 具体名を挙げてみますと、Google、アップル、マイクロソフト、BMW、GM、フィリップス、ジョンソン・エンド・ジョンソン、P&G、ユニリーバ、ネスレ、コカ・コーラ、スターバックス、ナイキ、H&M、ウォルマート、イケアなどなど、3月16日時点で88社が加盟しています。そして、このうち18社が既に再生可能エネルギーのみで事業運営を達成しているとのことです。

 これらの企業の選択は、単なるCSRのみならず、コストメリットも大きな理由となっています。日本では、再生可能エネルギー電気の価格競争力は今一歩ですが、世界では十分に価格競争力を有しており、再生可能エネルギーを選ぶ=電気コスト削減という流れが出始めています。

 また、Googleなどは、風力などの発電事業者と電力調達の長期契約締結を進めており、それが発電事業者の財務面での安定性向上につながり、さらなる再生可能エネルギーへの投資を呼び込むといった好循環ができつつあります。

 日本では、ユニリーバ・ジャパンと日本ロレアルが、グリーン電力証書*2 を用いて国内主要拠点で使用する電気を100%再生可能エネルギーとしていますが、全国の企業への広がりはまだまだこれからといった状況です。

*2 グリーン電力証書:風力、太陽光、バイオマス等の再生可能エネルギーにより発電された電気の「環境価値」を、証書発行事業者が第三者機関の認証を得て、「グリーン電力証書」という形で取引する仕組み。

 次回は、街全体で電気を選んでしまった、私の大好きな街、米国サンフランシスコの取組を紹介したいと思います。

※本稿は個人として執筆したもので、所属する団体の見解などを表すものではありません。本稿へのご意見・お問合せは inagaki_energy@yahoo.co.jp までお願いいたします。(所属は寄稿時の所属です)

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(いながき・けんじ) 平成17年3月東京大学大学院修了(エネルギー工学)。同4月文部科学省入省、原子力計画課係長などを経て22年3月退職。同4月東京都庁入庁。ソーラー屋根台帳、屋根貸しマッチング事業、シティチャージ設置事業など自治体の新しい太陽光発電普及策の企画に従事。26年4月から(公財)東京都環境公社。5か国10都市で先進都市の再生可能エネルギー普及策等を現地調査。29年4月から東京都環境局。

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20世紀の社会を築き、支えてきた石油。しかし世界的な環境意識の高まりの中で、石油依存社会の限界が明らかになりつつある。石油はいまどうなっているのか。石油社会の次を築き、新世紀を切り開くイノベーションは何か。その最先端の姿をリポートする。

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