熊本地震、南阿蘇で不明9人捜索 「72時間」迫る

熊本県南阿蘇村で、地震による土砂崩れに巻き込まれた地区で行方不明者を捜索する自衛隊員(2016年4月17日撮影)〔AFPBB News

 毎週水曜日に掲載している徹底解説自衛隊。今回は3回目となる。前々回は終戦後に自衛隊がなぜ創設されたのか、その経緯を詳しく述べた。

 また朝鮮戦争を契機として、我が国の防衛産業が産業として確立、世界トップレベルの実力を手にするところまでを見てきた。

 そして前回は、冷戦期から中国軍の海洋進出が激しくなるまで、航空自衛隊と海上自衛隊が果たしてきた役割を解説した。ソ連と中国の圧力をはねつけてきた実力に迫った。

 今回は自衛隊が国内で果たしてきた重要な役割、災害派遣について徹底的に振り返る。ドクターヘリの登場までは離島や山間地での病人搬送は自衛隊にほぼ頼りっきりだったと言っていい。

 ドクターヘリが各都道府県で導入されても、実は自衛隊の役割は減るどころか増えている。災害大国日本にとって、自衛隊が担っている役割は極めて重い。

自衛隊の国内災害派遣

 自衛隊の主たる任務は、直接および間接の侵略に対して我が国を防衛することにあるが、災害派遣は治安出動および海上警備行動と共に従たる任務の位置づけである。

 災害派遣は自衛隊法の定めるところに従って行われるが、派遣の目的には様々なものがある。地震災害救助、原子力災害救助、水害救助、山岳或いは海上遭難救助、離島などからの急患空輸、不発弾処理など極めて多岐にわたる。

 自衛隊創設以来今日まで自衛隊が行ってきた国内災害派遣について、その実績を概観する。

災害派遣延べ件数

 昭和29年に発足した自衛隊は、昭和29年において延べ88件の災害派遣要請(九州および近畿地方の台風災害並びに洞爺丸沈没事故など)に対して延べ5万8291人の隊員を派遣して派遣要請に応えた。

 以後、自衛隊の部隊、人員、装備、資機材などの整備・充実ならびに派遣要請権者側の認識の深化などに伴って自衛隊の災害派遣件数は徐々に増えていった。

 自衛隊発足から昭和30年代初頭までは年間100件前後の災害派遣であったが、昭和33年から急激に増え始め昭和45年には年間災害派遣延べ件数が590件に達している。

 その後昭和47年5月の沖縄返還による防衛範囲の拡大に伴って、災害派遣延べ件数は昭和47年度に年間706件に達し、その後増減を繰り返しながら平成8年度にピーク値である898件を記録する。