(英エコノミスト誌 2017年3月25日号)

全人代ら代表、資産330億円超が209人

中国・北京の人民大会堂で開幕した人民政治協商会議(政協、2017年3月3日撮影、資料写真)。(c)AFP/Greg Baker〔AFPBB News

米国が後退する一方で、中国が前進している。

 国際通貨基金(IMF)は「組織的に外国人を貧しくしている」うえに、世界銀行の助言は「トップクラスの顧客にとってマイナスの価値しかない」――。こうした手厳しい言葉を投げかけているのは、ワシントンコンセンサス*1に批判的な左派の論客ではない。

 コメントの主は、前者がデビッド・マルパス氏で、後者がアダム・レリック氏。ドナルド・トランプ米大統領から、財務省の国際問題担当幹部として、世銀とIMFに代表される国際金融機関や20カ国・地域(G20)などとの問題を扱う責任者に指名された人物だ。

 2人が将来仕えるスティーブン・ムニューシン財務長官も、国際金融機関のエスタブリッシュメントにしてみれば、それほど心強い存在ではない。初めて臨んだG20財務相・中央銀行総裁会議(ドイツのバーデンバーデンで3月17~18日に開催)では、長らく継承されてきた「あらゆる形の保護主義に抵抗する」との合意を拒んだ。たびたび破られてきた合意ではあるが、ことわざにある通り、偽善は悪徳が美徳に払う敬意だ。

 国際経済問題に長く携わってきた人々から見るなら、この攻撃的なスタンスは不可解だ。米国政府が手塩にかけて育てた金融機関――米国の意向に従いすぎていると批判されることの方が多い金融機関――をさげすんでいるように見えるからだ。「米国は今、この多国間システムの主導権を中国に手渡しつつある」。コロンビア大学のジェフリー・サックス氏は先日、米国の金融情報サービス会社ブルームバーグにこう語った。

 しかし、仮に欠員が生じるとしても、中国はそこに座る資格を満たしているのだろうか。もっと言えば、このポストに関心があるのだろうか。

 習近平国家主席は今年1月、スイスのダボスで開かれた世界経済フォーラム年次総会での演説でグローバル化を称賛し、この仕事に名乗りを上げているように見受けられた。またこのポストに応募する資格がある証拠として、小切手外交の件数の多さを示すこともできるだろう。

*1=米国政府、世銀、IMFなどが途上国に対し、援助を行う条件として要求する経済政策のこと。