どんな写真を撮っているのか聞いてみる

──ショールームのスタッフはみんな現地の中国人ですね。接客の方法は具体的にどう変えたのですか。

陳彭齢氏(以下、敬称略) それまで接客はあってないようなものでした。お客さんから言われたままに商品を渡すだけ。あとは値段の交渉をするだけです。お客さんの困っていることは何か、お客さんはどんな写真が撮りたいのかなど、スタッフが考えることはありませんでした。

 それではお客さんに本当に合っているカメラを買ってもらうことができません。買ったカメラは使い勝手が悪いかもしれないし、もしかしたら必要以上にハイスペックのカメラを買ってしまっているかもしれない。

 だからスタッフに最初に教えたのは、まずお客さんが撮った写真を見ましょう、どういう写真を撮っているか聞いてみましょう、ということでした。話を聞いてあげることが接客の第一歩になります。

──お客さんの情報収集をするのですね。それは中国人のお客さんにとっては新鮮なんでしょうね。

 そうですね。なぜそんなに私の話を聞いてくれるの、なぜそんなに教えてくれるの、と驚かれることがあります。中国でそういう接客がないわけではないけど、やはり少ないですね。

対等に接したらスタッフはびっくりしていた

──スタッフはそういう接客方法を受け入れてくれましたか。

 最初はスタッフの意識を変えるのはなかなか大変でした。研修で、商品の説明だけでなく、お客さんのことを考える心構えの大切さを教えるようにしたら、だんだん分かってくれるようになりました。

佐藤 そして、実際に店頭に立って、こうやって売るんだよと売ってみせてあげるんです。陳が接客すると、圧倒的に売れますから。効果がはっきりと目に見えるので、みんなついてきます(編集部注:陳氏は日本で店長を務めていた)。