OPECに勝利したシェールオイル、死角はないのか?

米国の原油需要が左右する原油価格の先行き

2017.03.17(金) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49441
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 OPECはこれまで自らの世界市場のシェアを奪うシェール企業を「獅子身中の虫」と忌み嫌っていた。原油価格の大幅な値動きを不必要に引き起こすヘッジファンドも「投機筋」として蔑視してきた。しかしシェール企業や投資ファンドが世界の原油市場、特に原油価格に与える影響が大きくなったことから、「宿敵」に歩み寄らざるを得なくなったようだ。

 OPECはまずシェール企業と会談した。CERAウィーク開催前夜の3月5日の夕食会には、OPECのバルキンド事務局長の他、米国の大手シェール企業や石油サービス企業トップら約20名が出席した。

 参加者らは「原油市場はさらに均衡すべきであり、在庫はより低水準な方が全員にとってに有益だ」との意見で一致した。だが、シェール企業関係者は増産を続ける姿勢を崩していない。OPECの減産による価格上昇の効果をシェール企業の増産が打ち消すという構図は変わらないままである。サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相はCERAウィークの講演で、増産を続けるシェール企業に対し「(減産効果への)ただ乗りは駄目だ」と牽制している。

 次にOPECは3月7日に、投資ファンド関係者と会談の場を持った。その詳細は明らかになっていないが、投資ファンド関係者が「OPECが減産措置を夏以降も延長するかどうか」に多大な関心を持ったであろうことは想像に難くない。

ファンド関係者が「失望売り」か

 これらの会談についての情報がCERAウィーク出席者の間に流通し始めると、ヘッジファンドの動きをきっかけに、OPECの減産合意決定(昨年12月30日)以来1バレル=50~55ドルのボックス圏で推移していた原油価格の下落傾向が強まった。

 米WTI原油先物市場で史上最高水準に積み上がった買越残高の取り崩しは今後も拡大する可能性が高いとされている(3月13日付ブルームバーグ)。原油価格はどこまで下がるのだろうか。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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