(英エコノミスト誌 2017年3月11日号)

トランプ氏の「前政権が盗聴」は虚偽 FBI長官、司法省に否定要求

ドナルド・トランプ米大統領。訪問先のフロリダ州オーランドで(2017年3月3日撮影)。(c)AFP/NICHOLAS KAMM〔AFPBB News

トランプ大統領の「証拠もないのに非難する習性」は社会を蝕む。そう言える勇気が少し出てきた共和党議員もいる。

 まるで共和党の仲間を愚弄しているかのようなコメントだった。ドナルド・トランプ大統領は3月4日、感情的で確証のない非難をバラク・オバマ前大統領にツイッターでぶつけた後、――「私の電話を盗聴するなんてオバマ大統領はどこまで落ちたのか・・・悪いヤツ(あるいはビョーキ)だ!」――、この件を調査するか否かは連邦議会次第だと発言したのだ。

「この件については、ホワイトハウスも大統領も・・・そうした監督がなされるまでは・・・これ以上コメントはしない」。ショーン・スパイサー報道官は取り澄ました口調でそう言い切った。

 この件については、何らかの形で調査を続ける必要がある。なぜならトランプ氏は大統領であり、国民の47%はマスメディアよりも大統領の方が信頼できると答えている(米クウイニピアク大学が実施した世論調査より)。そのうえ、オバマ氏に対する批判の内容は非常に深刻だからだ。

 もしオバマ政権が非合法な方法でトランプ氏のことをあれこれ探っていたとなれば、オバマ氏のレガシー(遺産)は汚されてしまうだろう。逆に、オバマ政権がトランプ氏の電話を盗聴する令状を取得していたとしたら、トランプ氏かその側近がテロリストや外国の工作員と関係しているとオバマ政権が考え、外国情報監視裁判所(FISC)の判事を納得させるのに十分な理由があったということになる。

 一方、根っからの陰謀論者であるトランプ氏が、自分の前任者と米国の諜報機関について扇動的でナンセンスな見方を広めたのだとするなら、やはり深刻な問題である。そして、恐らくはそれが真相なのだろう。