記者会見を終え、頭を下げて退室する学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長(中央)。左は長男の籠池佳茂氏(2017年3月10日、写真:日刊スポーツ/アフロ)

 3月10日、森友学園の籠池泰典理事長が、理事長を退任し、私立小学校の設置認可申請を取り下げた。これで幕引きを図ろうということなのだろう。だが肝心の疑惑は何ひとつ解明されたわけではない。

財務省、国交省が大慌てで厳しい対応

 タダ同然での国有地の払い下げで批判にさらされていた財務省は、早速、学園側と買い戻しに向けての協議に入ったそうである。森友学園と財務省の売買契約では、2017年3月31日までに小学校用地として利用しなければ、国が土地を買い戻すことができるという特約が入っているためである。

 国は売却価格の1億3400万円のうち、分割払いの頭金として2787万円を受け取っているだけなので、同額を払えば買い戻すことが可能だという。ただ学校用地に使うという契約内容に反していたことから、学園側には違約金1340万円を支払う義務があるため、実際には差額の約1400万円の支払いで土地を買い戻すことが可能ということである。

 旧国有地が返還された場合、国土交通省も支払った補助金約5600万円の返還を求める方向だと報じられている。