日本人の平均寿命が年々延伸している。大げさでなく「人生100年時代」が迫ってきている。長生きすることで心配になるのが、日常生活費が足らなくなることだ。公的年金だけではまかなえなくなることが予測されるだけに、自助努力の必要性が高まっている。と言っても、超低金利の時代には、預金などでの資産運用も難しい。現状の課題や求められる備えの方法などについて、第一生命経済研究所 政策研究部長の藤井邦幸氏に聞いた。
 

平均寿命について、多くの人が誤解している

 厚生労働省の「2015年簡易生命表」によると、男性の平均寿命は80.8歳、女性の平均寿命は87.1歳となっている。と言われると、70歳の男性であれば、「自分はあと10年程度しか生きられない」と考えがちだが、「それは誤解です。実は、70歳の男性の本当の平均余命は15.6年です」と藤井氏は話す。

 第一生命経済研究所 常務取締役
 政策研究部長 藤井邦幸 氏

  藤井氏によれば、70歳の男性は、平均で85.6歳まで生きるという。実際に、年齢別死亡者数を見ると、男性の場合、ピークは86歳となっている。なぜ、このような違いが生じるのか。

 「平均寿命は、生まれたばかりの赤ちゃんが、あと何年生きられるかを示したものです。ですので、現在長生きしている人だけで平均を取ると、それよりも高くなるのです」 

 平均寿命を超えて長生きする人も多い。確率上は、現在70歳の男性のうち2人に1人が85歳まで、3人に1人は90歳まで生存するという。女性はさらに長生きだ。現在70歳の女性は、2人に1人が90歳まで、4人に1人が95歳まで生存する確率が高いという。

 藤井氏は「ただし、これは現在の数値です。医療の発達などにより、今後はさらに平均寿命が上昇することが予想されます。厚生労働省などの調査によれば、2015年時点の100歳以上の人口は6万1568人ですが、2050年にはこれが69万6000人になると予測しています」

あああグラフ:「年齢別平均寿命」と「何歳まで生きられるかの期待値」(男性)
(出所)厚生労働省「平成27年簡易生命表」より作成。※小数点第2位は四捨五入
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 まさに「人生100年時代」が迫ってきていると言えるだろう。

 

長生きすることがリスクになり、自助努力の必要性が高まる

 長生きできることは喜ばしいが、リスクもある。日常生活費の問題だ。藤井氏は「生命保険文化センターの『平成28年度生活保障に関する調査』で、公的年金と日常生活費に対する考え方を尋ねたところ、79.9%の人が『公的年金でまかなえるとは思わない』と答えています」

 公的年金の財源不足も指摘されている。今後は給付水準が実質的に低下することも見込まれている。

 「何らかの自助努力が必要と言えます。『平成28年度生活保障に関する調査』では、老後保障に対する準備状況についても尋ねています。それによれば、64.8%が、預貯金、個人年金保険・変額個人年金保険や生命保険、損保の年金型商品、有価証券などを利用して準備していると答えています。中でも、その手段として個人年金保険や生命保険などを選んだ人が44.0%に達しています」(藤井氏)。

グラフ:老後の準備を進めている人の割合 
(出所)生命保険文化センター/「平成28年度 生活保障に関する調査」

  
 ただし、預貯金などでは、長生きした場合にそれを取り崩してしまい、お金が枯渇してしまう恐れがある。

 「これは日本に限らず、欧米の先進国でも同様の現象です。課題の解決のために、国によっては、政府が一定の補助金を出して終身年金制度の加入を促しているところもあります」

 一生涯にわたる所得を確保することができるのは終身年金だけである。
「ただし、私的終身年金保険の普及度はまだ低いのが現状です。背景には、加入者の意識の問題もあります。たとえば、そもそも保険とは、起こったときのリスクに備えるものです。ところが、終身年金保険の場合にはどうしても、『早く死んだ場合には損をしてしまう』と考えがちです」と藤井氏は説明する。自動車保険などの場合、「事故を起こせば元が取れる」と考える人は少ない。

 「投資商品としてではなく、長生きリスクに備えるための手段として、終身年金保険に注目される人が増えているのはよいことだと思います。第一生命では最近、『トンチン性(※文末コラム参照)』を高め、生きている間の年金額を大きくした保障重視の個人年金保険を発売しました。社会のニーズに応えるものだと考えられます」と藤井氏は語る。

 

トンチン性を高めた新しい個人年金保険が発売開始

 第一生命が3月に発売した5年ごと配当付生存保障重視型個人年金保険「とんちん年金『ながいき物語』」の大きな特長は、その名のとおり、「トンチン性」を高めた商品であることだ。

 第一生命 商品事業部 部長の須田樹生氏は次のように説明する。「『トンチン』とは、死亡保障を行わない代わりに生きている他の加入者の年金を大きくする仕組みです。『ながいき物語』では、年金支払開始日前の死亡時や解約時の返還金を抑えることで、年金額を大きくしております」

第一生命保険 商品事業部 部長 須田樹生 氏


 具体的には、被保険者が年金支払開始日前に死亡したとき、払込保険料相当額の7割が死亡返還金として支払われるという。

トンチン性を高めた商品『ながいき物語』イメージ
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 ちなみに、第一生命はもともと、5年ごと配当付個人年金保険である「積立年金『しあわせ物語』」があり、多くの加入者に支持されている。『しあわせ物語』と『ながいき物語』の違いを、須田氏は以下のように説明する。

「積立年金『しあわせ物語』は、ご自身で払い込んだ保険料を5年、10年、15年確定年金のいずれかで受け取れるものです。被保険者が年金支払開始日前に死亡したときには、払込保険料相当額を受け取ることができます」

『ながいき物語』と『しあわせ物語』の違い
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 その点で、『しあわせ物語』はいわば、死亡保障を確保しながら老後に備える年金と言える。一方、『ながいき物語』は、解約返還金を抑えている分だけ、生存重視の年金である。

 「『ながいき物語』を開発した背景には、平均寿命が延伸する一方で、このリスクに備える商品がほとんどなかったことがあります。さらに、低金利により、預金などでの資産運用が難しくなっています。また、市場環境が厳しい中において、私たち保険会社としても、従来以上に魅力的な商品を出していく必要があります。トンチンという仕組みを利用することで、長生きに備える商品を生み出すことができました」(須田氏)。
 

充実したセカンドライフを実現するために活用できる

 第一生命保険商品事業部 商品開発グループ 兼 貯蓄・投信事業グループ 課長補佐の廣瀬優基氏は、『ながいき物語』の仕組みについて次のように説明する。

第一生命保険 商品事業部 商品開発グループ 兼 貯蓄・投信事業グループ 
課長補佐 廣瀬優基 氏

 
 「『ながいき物語』に加入できるのは、50歳から80歳までの方で、一定期間保険料を払い込むと、生きている限り年金を受け取ることができます。年金の受取方法は、10年保証期間付き終身年金のほか、5年、10年、15年の確定年金のいずれかを選ぶこともできます」

 保険料の払込期間は最短で5年から選べる。年金の種類にかかわらず、年金原資・年金額が契約時に確定するため、着実に老後の準備ができると思われる。さらに、告知や医師の診査なしで申し込めるので手続きも簡単だ。

 廣瀬氏は「一般的な保険は、加入者が亡くなったときなど万一のことがあった場合に保障するものですが、『ながいき物語』は、長生きした場合に備えるという、逆転の発想の商品です。この商品の発売をきっかけに、お客さまの関心が高まることも願っています」と語る。

 もちろん、「人生100年時代」だからといって、心配ばかりというわけではない。須田氏は次のように話す。

 「セカンドライフが長くなることはそれだけ楽しみも増えるということです。定年後に旅行に行ったり、新しい趣味を始めたりする人も少なくないでしょう。ただし、セカンドライフを充実させるには計画的な準備も必要です。当社がその実現につながるよう、ご支援、提案をしていきたいと考えています」

 その言葉どおり、安心してセカンドライフを楽しみたいという人にとって、『ながいき物語』の活用は有効な手段の一つになるだろう。私的終身年金保険の普及という観点でも注目に値する商品だ。

 

「ながいき物語」のくわしい説明はこちらから>>

「ながいき物語」の資料請求はこちらから>>

 

人生100年時代に知っておくべきキーワード「トンチン」とは?

「トンチン」とは、死亡保障を行わない代わりに、その分、生きている他の加入者の年金を大きくする仕組みのこと。17世紀、イタリア人のロレンツォ・トンティ(Lorenzo Tonti)が考案した保険制度に由来すると言われている。米国では「長寿年金(Longevity Annuity)」として、さまざまな商品が発売されている。

 

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