「宅配ボックス」「コンビニ受け取り」の限界

 こうした再配達問題については、既にいくつか対策が練られており、「宅配ボックス」「コンビニ受け取り」などがこのところよく挙がってきています。しかし、筆者の個人的な印象としては、いずれも抜本的な対策とするには限界があり、普及させようとすること自体が無意味であるとも思えてなりません。

 まず宅配ボックスについては、近年はあらかじめ設置される新築マンションなどもあるものの、既存の住宅に設置する際には追加コストが必要です。全戸に導入しようなどというのは現実的ではありません。

 またネットで散見する配達員の声を見ると、宅配ボックスには早朝から各物流会社が競うように荷物を入れるのですぐ満杯となり、結局入り切らなかった荷物は再配達する羽目になることが多いと指摘されています。

 次にコンビニ受け取りですが、コンビニエンスストア業界もまた過酷な労働環境が指摘されており、むしろ業務を減らす努力が必要とされている業界です。加えて、ただでさえ店内はスペースが少ないにもかかわらず荷物を何週間も受け取りに来ない荷主などもおり、このままコンビニ受け取りが増えていったらコンビニの方がパンクする、という指摘もなされています。

宅配ボックスとコンビニ受け取りの内容と問題点

中国では職場での受け取りが一般的

 中国では、日本と同じく、いやむしろそれ以上にネット通販が近年隆盛し、配達員の不足や倉庫賃料の高騰など様々な方面で経済・社会問題が起こっています。ところが、再配達が問題化することはありません。

 なぜ問題化しないのでしょうか。最も大きな理由は、中国では通常、届け先が自宅ではなく職場だから、ということでしょう。

 中国人はネット通販をする際、届け先を自分の勤務先に指定するのが一般的です。勤務時間中であろうと、プライベートな個人宛の荷物が頻繁に職場へ届けられるのです(職場での受け取りはベトナムなどでも一般的だそうです)。