(英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年3月7日付)

オランダ極右政治家、支持率トップに 3月の総選挙で第1党躍進か

オランダ・スキポールにある裁判所に出廷した自由党(PVV)のヘルト・ウィルダース党首(2016年11月23日撮影)。(c)AFP/ANP/Remko de Waal〔AFPBB News

 それはまさに豊かな暮らしのように聞こえる。比較的裕福で、それなりに平等で、ワークライフバランスが良く、就業率は高く、全般的に満足度が高い――。では、オランダ人は一体何が不満なのだろうか。

 3月15日の総選挙を前に、反イスラムを掲げるポピュリスト(大衆迎合主義者)のヘルト・ウィルダース氏が世論調査で健闘している。それをもってオランダは格差や人生における機会の不均等、悲惨な中間層圧迫といった近代工業時代の無秩序によって苦しめられているのだろうと想像するのは容易だ。

 だが少なくとも一見したところでは、データは別の物語を伝えているようだ。一部のオランダ人が過激主義の政治に傾いている社会的な理由はあるかもしれないが、経済的な意味では、彼らの生活はかなり良い。オランダ人以上に市民が豊かで健康、あるいは幸せな国はほとんどない。

 オランダ議会の使節団がアフガニスタンのカブールを訪れ、ハーミド・カルザイ大統領に会って自己紹介したとき、この「オランダのパラドックス」がリベラル派政党「民主66」のアレクサンダー・ペヒトルド党首に衝撃を与えた。

「同僚の議員が言ったんですよ、『マリアン・ティーメです、動物のための党です』と。すると大統領が彼女に目を向け、『面白いですね、面白い。我々は人間のための党から始めますが、もしかしたら50年後には・・・』と言って」。ペヒトルド氏はこう振り返る。「時折、私は本当に、我々が少し甘やかされていると思いますね」

 以下、本紙フィナンシャル・タイムズは、オランダ人の生活に関するデータを検証し、不満を探してみた。