その人はちょっと特殊なスキルや経験を持っているので、他社から「うちに来ないか?」とよく声がかかります。だけど、それに乗ることはありません。私ならとっくに転職を考えるのにと不思議に思い、「どうして今の会社に勤め続けているの?」と尋ねてみました。

 すると、その人はこう答えました。

「それは自分でも考えてみたんだけど、この会社にいると、いろいろな国の人とディスカッションしながらどうやって売上や利益を作るかを考えることができるんだよ。外国の人たちは既成概念にとらわれることが少ないし、有意義なディスカッションになることが多い。それが好きみたいなんだ」

 この人は、「いろいろな価値観を持っている人と既成概念にとらわれずに自由にディスカッションして物事を進める」ことを大切にしてるんですね。

 将来の目標やビジョンを描かなくても、自分がやりがいや楽しさを感じられる瞬間を明確にすると、日々の仕事が生まれ変わり、ルーティンワークではなくなるはずです。

多くの気づきが得られる2つの質問

「なぜ今の会社に勤めたのか? なぜこの仕事を選んだのか? 異動してきた時に持っていた決意はなんだったのか?」

「今まで仕事をしてきて、どんな瞬間が楽しかったのか? どんな瞬間にやりがいを感じたのか?」

 この2つの質問に対する答えを考えてみると、多くの気づきを得られます。また、考えること自体が楽しいと思うので、とてもおススメです。