ネットワークのシェアリングは、次世代へのバトンとなるかもしれない。(写真はイメージ)

 ビジネスの世界で「IoT」はもはやすっかり一般的な言葉になった。業種を問わず、自社のビジネスにIoTを取り入れてみようと思う企業や技術者は多いはずだ。

 しかし、いざ始めてみようにも回線をどうするか、その設定やセキュリティはどうなのか、はたまた費用はどうなのかと、チャレンジを躊躇させる障壁が至る所にある。特にベンチャーなどのスタートアップや、学生起業家など、アイデアはありつつも資金が潤沢ではない若い技術者が挑戦さえもできずにいるのは、社会にとって大きな損失でしかない。

 そのようなIoT開発や事業参入の敷居を下げてくれるサービスが、今年2月から始まった。新たなビジネスモデルとして、今や世界中で注目されている「シェアリングエコノミー」の考え方も取り込んでいるという。

LPWAの新しいスタンダード

 そのサービスとは、IoT向けのネットワークサービスを提供してきたソラコムが、今年2月に発表した「SORACOM Air for LoRaWAN」だ。

 ソラコムは、これまでにIoT向けのネットワークを多数のパートナーと協業して、普及に取り組んできた会社だ。例えば、昨年10月にはKDDIが、ソラコムと共同開発したIoT向け回線サービス「KDDI IoTコネクト Air」を発表し、同じく12月にはソラコムが開発したシステムを利用した実証実験用の「LoRa PoCキット」が、KDDIから提供開始されている。

 これまでは3G/LTEのセルラー回線を利用したサービスを提供してきたが、今回発表された「SORACOM Air for LoRaWAN」は、IoT向けのLPWA(Low Power Wide Area)通信の規格「LoRaWAN」へ対応したものだ。